PCR検査の特異度が、99%から99.98%に変えると、偽陽性の人数は格段に減ることを書きます。
専門家会議に代わる新たな有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の初会合が、7月6日に開かれました。 特異度を99%であるとして、偽陽性が多くなると書かれています。 有識者会議でのスライドの71ページです。
赤字で書かれた部分から抜粋します。
1%の人が感染していると思われる1万人に検査(感度70%特異度99%と仮定する)を実施すると、99人は感染していないのに陽性(偽陽性)となり本来不必要な自宅待機、入院などの処置が取られてしまう可能性があり。
また、74ページには、その背景になる表が示されています。 そして次のように書かれています。
実際には、100人しか感染していないのに、ほぼ同数の99人が感染していないにも関わらず陽性(偽陽性)が出てしまう。
検査すれば、感染者を70人発見するが、感染していない人を99人陽性(偽陽性)とする。 「本来不必要な自宅待機、入院などの処置が取られてしまう可能性がある」。 この論理は、医療崩壊を避けるために、PCR検査を制限したときの論理と同じです。 日本でPCR検査が増えない理由です。
ところが、ニュージーランドや大分県の検査実績では、特異度は99%ではなく、99.98%です
。
他の条件は同じで、特異度だけを99.98%に変えて計算したのが、下の表です。 感染していないのに陽性(偽陽性)である人は、2人に過ぎません。
PCR検査で陽性と判定された場合、真の陽性である確率は、97.2% ( = 70 / 72)です。
偽陽性の確率は、2.8% (= 2 / 72)。
従って、PCR検査数を拡大しても偽陽性により医療資源を圧迫することはありません。
続きます。