ダイニーマ(Dyneema)に代表されるハイテク・ロープは、一般のナイロンやポリエステルのロープの4倍以上の破断強度がある。  しかし摩擦が小さいため、ロープを結んで固定するのでは、その強度を発揮できずに、結び目で切れるか、ほどけてしまう。  そこで、端部をアイ・スプライス(Eye Splice)して使用して結び目を避ける必要があります。
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「SK78」(シングル・ブレイド 12ストランド)を使ってアイ・スプライスを作るのは簡単だったので、作り方を備忘録にまとめる。
 
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シングル・ブレイド(Single Braid): 
カバーや芯のないロープ。 ハイテクロープのシングルブレイドは一般に12本のストランドで編まれている。  手軽に網目を開いたり、閉じたりできるため、アイ・スプライスしやすい。
 
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ダブル・ブレイド(Double Braid): 
シングル・ブレイドにカバーが付いている。
 
アイ・スプライス (両端自由)  
正しくは、ロック スプライス(ブルメル スプライス)
ロープの直径をΦとする。
こちらのビデオを参考にしました。 ご覧になってイメージを固められると良いと思います。
 
1.ロープの端から30Φと60Φの位置に①番と②番の印をマジックでつける。   アイの大きさを決め、③番の印をつける。 ③番から80Φの位置に4番の印をつける。
 
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2.③番の部分を押し広げ、短い方のロープの端(以下S端という)を③番に通す。
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3.通すときには、12本のストランドが、6本づつに分かれていることを確認する。
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4.長い方のロープの端(以下、L端という)を②番に通す。
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5.②と③とを同じ位置に合わせる。  アイが正しい大きさになっている。
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6.③番からロープの直径の長さ離れた所へ、S端を差し込み、④から引き出す。
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7.そのままS端を①番の印が見えるまで引き出す。 
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8.12ストランドのロープなので、①から先端までを12等分し、印をつける。 つまり、2.5Φの間隔の印。  
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9.S端をテーパーするために、各印の位置で、ストランドを1本引き抜き、切断する。  
テーパー: ロープの断面積が、急激に変わるところに応力集中が起き、そこが弱くなるため、それを避けるために徐々に断面積を減らす。
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10.差し込んで太くなった部分を矢印の方向に伸ばすと、ロープは、細くなり、S端のテーパー部分は、ロープに隠れる。
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完成。    ④にはマジックの印が見えるだけ。 
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さて、上記の方法ではロープの両方端をロープの中に通すため、ロープの片方の端にしかアイを作れない。 ロープの両方の端にアイを作る方法は次回に