藤子と幌子が! | Life is good!

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今回は、ニュース的にネタが古くなったかもしれませんが、秋が訪れ冬もさほど先では無くなった北海道では、まだまだ起きうる話…
8月から9月上旬まで札幌圏で発生したヒグマ出没と駆除に関し、思った事や感じた事をつらつらと綴らせて頂きます。

人によっては、意見に相違があるかもしれませんが、悪しからず。
メロン熊1
ゆるキャラ(ゆるくないけど)のメロン熊なら可愛いのにね


最初の出没のニュースは、8月上旬、札幌市南区藤野地区に一頭のヒグマの足跡と糞が見つかったことから始まります。
札幌市南区藤野地区は、周囲を深い森に囲まれており、比較的ヒグマ出没が頻発する地域。
私と妻は、今回出没した個体を地名の藤野から取って「藤子」と勝手に名付け
「藤子、このまま山に帰って~」
とテレビに向かって嘆いていました。
私も妻も北海道生まれの北海道育ち。
ヒグマが人里に降りて居座ると駆除(ハンターにより射殺)される事を知ってます。
願わくば命を奪われる事がない方が良いと思うのが人情ってヤツでは無いでしょうか?
でも、このヒグマは、家庭菜園栽培されていたトマトやトウキビ、カボチャ等を食い荒らすように…
「ダメだ、野菜や果物の味を覚えてしまった」
「もう山には帰らないべさ」
妻とそんな会話をした数日後、札幌市(南区役所)に依頼された猟友会ハンターによって駆除されました。

もう一つのヒグマ出没ニュースは、札幌市と東側で隣接する江別市で、ヒグマによりハスカップ農園が食い荒らされ、札幌市と江別市の市境に広がる野幌原始林(のっぽろげんしりん)に地元の大学が野生動物観察のため設置したカメラにその姿が映されていた事から一気に話題になりました。
因みにハスカップとは、北海道で自生するブルーベリーに似た味の果実。

先述に倣って我が家は、この個体にも野幌原始林から取って「幌子(ぽろこ)」と名付け、やっぱり
「山に帰って~」
と願わずにいられませんでした。

しかし、幌子もまた野幌森林の一部を管轄する北広島市が設置した箱わなで捕獲され、駆除されました。
私も妻も
「あぁ、藤子ぉ~、ポロ子ぉ~」
と、非常に残念に思ったモノです。
でも、道民だからこうなる事は、予想していたのも事実。
ヒグマが人里に現れるって言う事は、こう言うこと。

しかし、今回のヒグマ出没騒動、後日談があって、駆除した自治体に苦情の電話が殺到したとか…
特に最初にハンターにより駆除を指揮した札幌市役所に300件を超える意見が寄せられ、その7割が道外からの苦情だとか…
まぁ、札幌市の場合は、警察官がパトカーで森に通じる道路を規制している中、銃声が鳴り響く様子がマスコミに撮られ、全国ニュースになったって言うのが大きな要因でもあると思いますが…

苦情・意見で特に多かったのは、
「麻酔銃で眠らせて、山に帰してあげれば良かったじゃ無いか」
「動物園などで飼育するべきだ」
「ヒグマの生息域に人間が後から入植したのだから、ヒグマに譲歩しろ」
などなど…

うーん、無駄な殺生を良しとしない、日本人の道徳観、動物愛護の精神からしたら気持ちはわかるのですが…
あまりにも無知で無責任な意見だなぁと思ったのが正直な気持ち。

野生動物は、生きるのに必死。
一度安定した食事にありつけたら、その場所に何度も現れるように。
これは、公園の鳩、野良猫への餌やりと同じだと理解して貰えれば…

今回の2頭のヒグマ、家庭菜園にしろハスカップ農園にしろ大事な餌場を手放すはずがありません。
また、ヒグマは、日本に生息する最大最強の野生動物。
好奇心が強く、人間や自動車を怖がらない個体も多数存在します。
熊除けの鈴、爆竹、ハッキリ言って役に立ちません。
むしろ鈴の音や爆竹の破裂音を聞いたヒグマは、
「なんだべ?」
「美味しそうな獲物(人間)がいる~」
と近寄ってくる事も。
そんなヒグマに人間の生活域で居座られると人的被害が出るのは、時間の問題になります。

苦情・意見にあった「麻酔銃の使用」??
麻酔薬は獣医師が扱えて、猟銃は銃と狩猟の免許を保有する人が扱える…
つまり猟銃の免許を持った獣医師によって可能と言う事。
いるのかなぁ、そう言う人…
仮に麻酔銃を使用したとしても、麻酔は直ぐに効くわけじゃなく、しかも眠くなったヒグマは、人前で不用心に寝る事を恐れ、見境無く暴れ回るので、とても危険なのです。
麻酔薬を使用し、もし人の生命身体財産に被害を受けた際には、苦情・意見申し立て者は、責任とって貰えるのかな?
一度農作物(人間の食べ物)の味を覚えたヒグマは、森に帰したとしてもその味を忘れる事が出来ず、再び人里に戻ってきてしまうし、現実的ではありません。

動物園等で飼育?
北海道に観光用のクマ牧場ってのがありますが、野生のヒグマの収容所ではないし…
そもそも野生のヒグマを動物園的な施設に入れるって言う事は、伝染病・寄生虫が先輩動物に感染する危険性が高いって言うのに…
掛かる対策費用は誰が負担するの?
野生のヒグマが出没する度に収容するの?

個人的な事を言いますと、私の母方の曾祖父は、津軽藩(弘前藩)の廃藩置県によりリストラされた藩士で、元々使えていた上級武士に従えて北海道に入植したそうです。
開拓に入り苦労した話は私が子供のころ、祖父から聞かされていました。
中には、
「○○さんの馬がヒグマに喰われた」
「牛の仔っ子を放牧したらヒグマに喰われた」
等々ヒグマによる獣害被害の事も…
その都度、銃を手にヒグマと戦ってきたそうです。

北海道での獣害被害で有名どころは、大正4年の山毛別羆獣害事件 や昭和45年の福岡大学ワンダーフォーゲル部羆獣害事件 ですが、北海道ではそれ以外でも人や家畜が被害を受けた事件は、数え切れないほど発生しています。
私が記憶しているのは、平成13年5月、札幌市南区定山渓で山菜狩りの男性がヒグマの食害に遭い、捜索した消防署員が発見した際は、地面から片足だけ見える状態で埋められ、近くに当該ヒグマが威嚇していたことかな?
(当該ヒグマはハンターにより駆除されています)

そもそもヒグマは、
体重:平均200kg超
走る速度:最速約60km∕h
特技:木登り
武器:鋭い両手の爪
得意技:プロボクサー並みの速度のパンチ

ええと…、横綱白鵬や絶頂期のマイク・タイソンを超えるウエイトとパワー、ウサイン・ボルト並の速力…
勝てる気がしない…

因みに札幌圏のヒグマ出没ニュースに平行して、知床地方でもヒグマが人里に出没し、外飼いの犬が連続して食害にあったニュースが流れていました。
そのヒグマからしてみれば、「お、犬って美味しいからまた食べに来よう」って感じなのです。
悔しいけれどこれが現実なのです。
愛犬を含めて大事な家族に被害があっても許せるでしょうか?

札幌のヒグマが出没していた地域では、墓参り自粛、児童公園や小学校での行事を中止しており、しかも北海道の小学校の夏休みは、本州以南と違ってお盆休み明けの8月19日ころから2学期が始まるのに、早く決着しないと子供にも被害が及ぶ事態に。

先にも言いましたが、「駆除された=ヒグマの命が奪われた→悲しい」の気持ちは、地元の人にも大いにあるのです。
でも、駆除しなければ、安心安全を守れないって言う事を知らない人が苦情を申し立てるのは、違和感を感じるのです。

生きるためには、時に武器を手に取る事も必要だと理解して頂きたい…
メロン熊2
生きるために戦え!