猫たちのバラード | Life is good!

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たわいも無い日常・趣味と旅・柴犬カムイ・先代犬虎太郎のこと

私の実家(旭川)には、もうすぐ17歳になる雄猫がいます。
名前はトムノスケ(富之介 愛称トム)。
生まれは、千葉県八街市。
性格は、凶悪にして凶暴…(^_^;
トム000
太りすぎて手をまっすぐ下ろせない…


トムは、私が千葉県にいたころ、上司の家で生まれた5匹の子猫の内の1匹を私が引き取ったのです。
名付ける時、ヨゴロウザ((^^ゞ知ってる人いるかな?)にしようかと最後まで悩んだことを思い出します。
トム001
♪どいつも こいつも あいつも そいつも ダメ!


トムは、私によく懐いてくれて、名前を呼べば私の元に戻ってきてくれるので、時々一緒にドライブに行ったものです。

でも…私が転勤を繰り返している内にペット禁止のアパートに住まざるをえなくて、やむなく実家に引き取って貰ったのです。
幸いにして猫好きの父母の元で可愛がられながら元気に過ごしています。
トム002
仔猫時代は、凶暴じゃなかったのに…


今回は、そんなトムにまつわる話をいくつか…

トムは、私に置いて行かれた直後、家中私を捜し回っていたそうです。
母からその話を聞いた私は、どうしてもトムに会いたくなり、2ヶ月後、再び実家帰省したのですが…
トムは、私に激しく襲い掛かってきたのです。
いやぁ…それも怒りにまかせて
「ウゥ~ウ(怒)、シャーッ!」
と噛み付かれたり引っ掻かれたり…
流血の大惨事でした。
トム004
焦げるぞ!


感動の対面を(勝手に)思い描いていたのですが…
実家に置いて行く時は、後ろ髪引かれる思いだったんだけどなぁ。
私もトムのことは、一度も忘れたこと無かったんだけどなぁ…
でも、トムの立場から見れば、捨てられたって思いが強かったんでしょうね。
猫も[捨てられた→憎い→嫌い]と感情が移行(変遷)するんですね。

さすがに最近は、積極的に襲い掛かって来ることは無くなりましたが、近寄ると
「シャーッ!(怒)」
ってな具合に威嚇されます。
そんな風に想わせてしまったこと、させてしまったことに心苦しく、申し訳なく思えてなりません。


また、実家に置いてきて4年ほど経ったころ。
私も結婚し、転勤で北海道深川市へ来て虎太郎を迎え入れたころの話…
父母から「旅行するから留守中トムの世話を頼む」と言われ、妻が毎日実家に通いました。
トムは、妻が家に入るなり
「ウニャウニャ~」
と甘えた声で擦り擦り~
更に
「遊んで~」
と猫じゃらしを咥えて来て、妻に渡しました。
妻は、トムが健気に見えて時間が許す限り遊んであげたそうです。
そして、妻が猫トイレの始末や食事の準備終え帰ろうとすると、トムは、玄関へ通じるドアの前で
「シャーッ!(帰るな)」
と威嚇(懇願?)したそうです。
妻はトムに
「ゴメンね、家で虎太郎が待っているの」
と言うとトムは
「ウニャニャニャニャ…(ブツブツ)」
と文句を言いながらも諦めてドアの前から離れてくれたそうです。

妻からこの話を聞いて、猫が寂しがり屋で甘えん坊でワガママ、そして健気だと改めて思い知りました。
(あ、人も犬も一緒ですね。)
トム005
でかい!


猫の話題なので母から聞いた感慨深い話をもうひとつ…

母は、子供のころ猫が必ずいる生活をしていたので、猫の扱いが上手。
(生家が田舎の食料・雑貨店だったこともあり、ネズミよけの猫を飼っていた)
以前、妻と一緒に実家に遊びに行くと、母は横になっているトムに
「トムたん、尻尾ふりなさい」
と命じました。
すると、トムは尻尾を左右に振り振り…
今度は、
「はい、バッタンバッタンしなさい」
と命じると、今度は尻尾をバッタンバッタンと尻尾で床を叩き始める芸を見せてくれるのです。
それを見て、嬉々と喜んでいる妻に母は、おもむろに古い思い出話を始めました。


母が小学生1、2年生のころの冬…
生家があった地域は酪農地帯だったこともあり、どの家庭(農家)もネズミよけの為に猫を飼っていました。
母が酪農家の友達の家に遊びに行った帰り、そこのお父さんから
「帰りに子猫を川に捨ててってくれるかい?」
と、新聞紙にくるまれたまだ目も開いていない子猫3匹を渡されたそうです。

猫に去勢・避妊手術なんてしない時代… 家の中と外を自由に行き来する猫は、子猫が生まれるのが普通で、必要以上の猫は捨てられるのが当たり前の時代…

母は言われるがままに、何も考えず子猫が包まれた新聞紙を受け取り、帰宅途中、氷が張った川に寄り、川面が出ているところからその新聞紙の包みを氷の下に押し入れて帰ったそうです。

でも… 幼かった母も成長するにつれ、
・氷の下にいれてしまった、猫を殺してしまった
・無邪気な子供のころとは言え、命を奪ってしまった…
ことに気が付き、心を痛めたそうです。

そして… 何十年も経っているのにトムと遊んでいても、ふっと思い出して後悔の念に囚われることがあるそうです。


母が心痛めた経験話を聞かされ、母にも多感な時期があったことに気が付かされました。

必要ない動物の命は、簡単に捨てられた時代…
例え川面に浸けないで、野に放ったとしてもキツネや鷲の餌になっていたでしょうし…
いくら時代だったとは言え、子供にさせる事じゃないのかも。
母にとって命を考える切っ掛けになった経験だったんだろうなぁ…

色々な想いが馳せる話でした。
トム007
トムた~ん!


まぁ、そんなわけで実家に住んでいるトムノスケですが、現在は私の父と母を癒す存在となりました。
トムたん、まだまだ元気でいてね。
トム008
怖っ!