日本の喜劇王といえば「エノケン・ロッパ」です。
古川ロッパさんは、日記魔として有名でした。
日記の量は、
昭和9年~昭和36年まで当用日記10冊、
大学ノートで95冊!
その日記を全て紹介しているのが
「古川ロッパ 昭和日記」(晶文社・平成元年初版)です。
戦前、戦中、戦後、晩年篇と
4巻に分かれています。
各巻、膨大な量です。
浅草の風俗、興行の舞台裏、
日記に登場する数々の大スター、昭和の食…。
どこを切り取っても、この日記には、
当時のことが、よくわかる、
歴史的価値があります。
映画ジャーナリストだったロッパさんが、
28歳の時に喜劇役者に転向。
あっという間に、
喜劇の頂点にまで、のぼりつめます。
仕事以外には、
日記と食に執念を燃やし続けました。
しかし、戦後、凋落の一途を辿ってしまいます。
それでも、毎日、ロッパは、日記を書きました。
今、「晩年篇」を読んでいます。
↓
大スターロッパとは、思えない、
日々の苦しい生活まで、
生々しい記述が続きます。
どんな時でも綴られた日記は、
昭和35年12月25日を最後に途絶えます。
そして、昭和36年1月16日、
57歳で、この世を去りました。
この日記を読み進んでいくと、芸人である私も、
色々と考えるところがあり、
とても勉強になります。
【たけ平今日の一曲】
~古川ロッパ・榎本健一「弥次喜多ブギ」~
喜劇の團菊、「エノケン・ロッパ」は、
全盛期、競演することは、ありませんでした。
大スターの2人の競演が実現したのは、
昭和22年。
東宝映画「新馬鹿時代」でした。
今回、ご紹介する一曲は、昭和25年の作品。
松竹映画「エノケン・ロッパの弥次喜多ブギウギ道中」の主題歌です。
以前、林家木久扇師匠は、
「あの2人が、競演するなんて、子供心に、とても興奮したのを覚えている。2人が競演した映画の主題歌は、みんな歌える」
と、楽屋で当時のことを、
懐かしそうに、話してくださいました。