催眠の誤解を招くインフルエンサーの発言

きのう複数の生徒さんから同じ質問というか、同じ問い合わせをいくつかいただきました。

その内容は「YouTubeで催眠術をやったこともない影響力のある有名なインフルエンサーが、本を読んだだけの知識で、催眠はかかりやすい人とかかりにくい人がいて、催眠術ショーはかかりやすい人を探しているだけだと言っているんです。この間違いをどうにかできないものでしょうか？」というものでした。

この誤解に関しては私がいつも言っていることですね。このブログでも何度も言ってきました。

催眠にかかるかどうかの一番大きな要因は催眠術師の技量です。被験者の性質なんて微々たるものです。性質なんかより環境や心境のほうが遥かに影響するし、被験者に合った技法を提供できるかどうかが何よりも成功率を上げる要因になります。

きっと、このことを身にしみて理解しているうちの生徒さんたちは、有名なインフルエンサーの無責任な発言に我慢できなかったんだと思います。

昔はきちんと理論を把握して、必要な練習をやったうえで正しい催眠を身につけていったものですが、いつ頃からか、相手を観ながら誘導するこの技術が台本形式で覚えるカスのような心理誘導になってしまい、催眠関係者の人口は増えるものの、技術はすたれる一方になってしまっています。

催眠は呪文ではありません。

「催眠は、かける人の能力ではなく、かかる人の能力です」などと言っている催眠術師は、人差し指が寄ってくるといったトリックのあと、こぶしが開かなくなるといったように、台本形式で次にすることが決まっている、いつも同じセリフで同じことしかできないカスの催眠術師です。

催眠誘導は相手の反応を観ながら、その反応に合わせてリードしていく心理誘導です。

自分は台本通りにやって、かかるかどうかは被験者次第といった催眠がカスの催眠でなければ何なのでしょう。

こういったカスみたいな催眠を教えて信じられないような高額な料金を要求する有名な催眠術の先生も少なからずいますよね。このような催眠を教えている先生に催眠をやらせてみなさい。深い催眠に誘導できる被験者がいったい何人いるでしょうか？

聞くところによると、その有名な先生は、自分の生徒さんがどこかの催眠術師が集まる会に参加したとき、その生徒さんから「めちゃくちゃ深い催眠に入っていた女性が一人いましたよ」と聞くと、「その深く入る女性の連絡先はわからないのか！」といってしつこく連絡してきたそうです。それだけその有名な催眠術の先生にとっては深く催眠に入る人が珍しいのでしょう。

ちなみに、20人に1人か2人は催眠という雰囲気に負けて、大したことをしなくても深い催眠に入る人が一定数います。

しかし、もっと酷い催眠があり、その催眠は世界中に広まっていたりします。

書面のセリフを覚えるだけのいわゆるスクリプト形式で覚える、催眠というにはおこがましいようなものです。外国発信の大きな団体等が教えているものがそれです。

我々からすると、そういったものは、ヒプノセラピーではなく、リラクゼーションセラピーとでも名前を改名してもらいたいぐらいです。

このような資格ビジネスの媒体に使われている催眠と、我々の催眠とを一緒にして欲しくないですね…

【ワークショップ情報】
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●第16回催眠誘導研究所基礎講座

※催眠術のかけ方マスターコース

日時：2023年1月21日（土曜日）午後1時より開催
受付：12時:30分より開始
場所：東京都渋谷区千駄ヶ谷5-14-10 新宿明治通りビル6階
会場：タイムシェアリングビズ代々木
時間：約4時間
講師：林貞年

※満席です
http://hayashisadatoshi.com/tokyo-1.htm
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【新刊情報】

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題名：最強の催眠術ｵｰﾃﾞｨｵﾌﾞｯｸCD
発行：パンローリング社
著者：林貞年
価格：2,300円（税別）
媒体：CD4枚組
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