西宮市の子どものこころと体の健康を守るクリニック
はやしま小児科です 【ホームページはこちら】
小児科、予防接種、乳幼児健診
発達相談(子育て相談外来)
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こんにちは。
言語聴覚士のEです。
当院の言語訓練のことだけでなく、
「ことばの発達」に関係することも、
ブログに書いていきたいと思います。
今回は、
『ことばの発達を促す関わり』
をテーマにしてみました。
私が実際に学んだこと、実践してきたことです。
私が30年前に専門学校で、
言語発達小児領域の授業で深く学んだのは
『インリアルアプローチ』
でした。
そんな、インリアルアプローチの紹介です。
今、ことばの発達のことを勉強すれば、
大人の関わり方として出てくる方法です。
インリアルアプローチは、
『子どもと大人が相互に反応し合うことで学習とコミュニケーションを促進する』
ことを目的としています。
子どもと大人(自分)の遊び場面のビデオ分析(評価)を行い、
子どもの発達にあわせた関わりをすることで、
コミュニケーションを引き出し、
ことばの発達を促す、ように働きかける、
そんな関わりをする、
アプローチ法です。
私の若い頃‥‥
自分のプレイ場面のビデオ分析では、
『うわ~遊び方下手すぎ』
『子どものリズムに合わせてない〜。』
『声掛けが多すぎ〜』
なんていう反省は、多々ありました。
子どもに対して話しかけている言葉が、
子どものコミュニケーションを引き出していなかったのです
え?と、思いました?
そうなんです。
インリアルアプローチは、
子どもだけでなく関わり手である大人(私)の評価もします。
大人側が子どもの発達を把握しているか、
子どもの反応に合わせているか、
そういったことがビデオを通して出来ているかが大事なのです。
言語の発達を促すアプローチ方法は色々とあると思いますが、
関わり方や声掛けの方法を知るという意味では
インリアルアプローチは大変有効かと思います。
という。
前置きが長くなったところで
本来は大人と子どもの関わりをビデオ分析した上で
実際に行うものなのですが、
参考になればという紹介も込めて。
インリアルの具体的な考え方、アプローチとして幾つがあるのですが、
今回は、
・コミュニケーションの原則
・言語心理学的技法
について紹介したいと思います。
これらの方法は‥
普段何気なしにしていることも多いですが、意識してお子さんと関わるとお子さんのことばの発達を促すことの手助けになるのではないかなと思ったりもします。
【コミュニケーションの原則】
1)子どもの発達レベルに合わせる。
2)会話や遊びの主導権を子どもに持たせる。
3)相手が始められるよう待ち時間を取る。
4)子どものリズムに合わせる。
5)ターン・テーキング(やりとり)を行う。
6)会話や遊びを共有し、コミュニケーションを楽しむ。
子どもの遊びを見守り、
子どもの反応や行動を観察し、
やりとりが持続するように、
適した関わり方をすることは、
とても大事です。
でも、
それ以上に、
大人側もコミュニケーションを楽しむことが、重要なのです!!
【言語心理学的技法】
ベビートークの研究を参考にして作られており、
子どもにとってわかりやすく、使いやすいことばのモデルとなっています。
また、命令、指示、質問、禁止のことばは含まれず、
子どものコミュニケーション意欲を育てることを目的として使われています。
・ミラリング
→子どもの行動をそのまま、まねる。
・モニタリング
→子どもの音声やことばをそのまま、まねる。
・パラレルトーク
→子どもの行動や気持ちを言語化する。
・セルフトーク
→大人自身の行動や気持を言語化する。
・リフレクティング
→子どものいい誤りを正しく言い直して聞かせる。
・エキスパンション
→子どものことばを意味的、文法的に広げて返す。
・モデリング
→子どもに新しいことばのモデルを示す。
例えば、
ことばがまだ出ていないお子さんには、
ミラリング、モニタリング、パラレルトークを使うことで、お子さんが注目しやすく共感しことばのまねっこに繋がりやすいのではやいかと思います。
↑↑
音のなるガラガラ積み木です。
ガラガラふってカチカチと鳴らす行動があれば、
同じようにカチカチと鳴らす(ミラリング)、
カチカチ鳴らして、「アブゥアーアー」
カチカチ鳴らしながら、
「アブゥアーアー(モニタリング)」
「楽しいねぇ〜(セルフトーク)」
積もうとする行動があれば、
「高い高い(パラレルトーク)」
「じょうずじょうず(セルフトーク)」
また、
一語文が増えて、二語文と広げていきたい場合には、
エキスパンションやモニタリングを意識的に大人側が使うとことばと言葉のつながりを学習しながら、多語文に繫がりやすいのではないかと思います。