ジョン・スチュアート・ミル(1806年―1873年)は、イギリスの哲学者、政治哲学者、経済思想家でもある。
政治哲学においては、自由主義・リバタリアニズムのみならず、社会民主主義の思潮にも多大な影響を与えた。晩年は自ら、社会主義者を名乗っている。
倫理学においては、ベンサムの唱えた功利主義の擁護者として知られる他に、論理学分野においては、バートランド・ラッセルら後続の、分析哲学にも強い影響を与え、初期科学哲学の重要な哲学者として知られる。
『自由論』(じゆうろん)は、ジョン・スチュアート・ミルによって書かれた自由についての政治学に関する哲学的随筆である。1859年に出版された。この本は、ミルの倫理体系である功利主義を社会と国家に適用したものである。
ミルは、現実政治について批判する著作を幾度か発表しており、1859年に発表した本書は、当時のヨーロッパ、特にイギリスの政治・社会制度の問題を、自由の原理から指摘することを試みた。
ここで論じられている自由とは、国家の権力に対する諸個人の自由であり、これを妨げる権力が正当化される場合は、他人に実害を与える場合だけに限定され、それ以外の個人的な行為については必ず保障される。
なぜならば、ミルによれば、文明が発展するためには個性と多様性、そして天才が保障されなければならない。
また、当時参政権の拡大をもたらしていた民主主義の政治制度は、大衆による多数派の専制をもたらす危険性があり、これをミルは警戒していた。
この本の「構成」である。
第1章 - 序論
第2章 - 思想と討論の自由について
第3章 - 幸福の一要素としての個性について
第4章 - 個人に対する社会の権威の限界について
第5章 - 応用
『自由論』は、イギリスの哲学者であるジョン・スチュアート・ミルによって書かれた自由についての、政治学に関する哲学的随筆である。
1859年に出版された本書は、ミルの倫理体系である功利主義を、社会と国家に適用したものである。
人間の生き方について彼は語っている。
「功利は、あらゆる道徳問題に対する究極の決意基準である」