詩集 「生きるよろこび」 川の流れ 川の石は 大雨で山が削られ 上流から運ばれて もともとは 角ばっていた 洪水で 流されるたびに 角がとれて 丸くなった 行く河の流れは 絶えずして しかも もとの水にあらず よどみに浮かぶ泡沫は 且つ消え 且つ結びて 久しく とどまりたるためしなし 世の中にある人と住家と またかくの如し