この記事の内容と
当院での歯磨き指導時にお伝えしている内容と
明らかに齟齬が生じております。そのため当ブログにて今から該当項目に対する反駁をさせていただきます。
まず当該記事130ページに記載されています、ヒールオゾンとカリソルブについてですが
上記器具および薬剤は未だ臨床における著名な効果が確認されておらず、
虫歯治療における実質公的な立場である日本歯科保存学会でも使用におけるガイドラインが策定されていない状態です。
現在では積極的に使用を推奨する論拠が十分に集まっていないため、当院では導入は現時点では全く考えておりません。
当該記事132ページ⑤項目、歯磨き粉はフッ素入りの物を選ぼうについてですが
「(歯磨き粉は)たっぷりと歯ブラシに付けて磨いてください」と大学教授のコメントを引用しています。
フッ素の効果をフィードバックするには理論上はたっぷり歯磨き粉を付ければよいのですが
虫歯予防で最大限に効果を発揮する行為は
「歯ブラシで物理的に汚れを除去する」
ことであり、歯磨き粉の付けすぎで磨き残しがでることは絶対に避けなくてはいけません。
歯磨き粉にはフッ素以外にも様々な材料が含有しており
嗜好性を高めるために(継続のモチベーションを高めるため)ミントやメンソールなどのフレーバーが添加されています。
たっぷり付けると発泡剤ですぐに濯ぎたくなったり、フレーバーの影響で磨いたつもりによる磨き残しが発生しやすくなります。
そういった観点から、当院では磨き残しを防ぐため、歯磨き粉の使用量を歯ブラシ幅半分までに指導しております。
また132ページ小見出しに
『3カ月に1度は歯科医院へ』
と書いてありますが、
記事に登場した識者の先生方はお一人だけ
『年1.2回は歯科医院で検査してもらうのがよいでしょう』
と仰ってるのみです。取材された方が聞いたにしろ、具体的に期間を明示してるなら引用元を明示するべきと考えます。
当院ではなるべく治療終了後の検診検査間隔が長くなるよう、口腔環境改善に努めてます。
虫歯になりやすい混合歯列期や、入れ歯やブリッジなど大規模な人工物が装着される場合などは3カ月後の受診をお勧めする場合ももちろんありますが、
受診目的も様々な患者さんが来院される歯科医院へ
すべてのかたが3カ月ごとの受診が推奨される訳ではありません。
他の項目にも疑問符が付く内容が散見されましたが、当院の治療範囲に及ばない分野でしたのでこちらでは特にあげません。
受診時に気になることがありましたら、当院の歯科医師にお尋ねください。