内政やら国際情勢やら、世の中何かと話題の多いこの頃ですが、それらのニュースに混じって月探査機「かぐや」のニュースもお耳に入っていることと思います。

NHKとJAXAが協力して搭載したハイビジョンカメラが11万kmの彼方から地球をとらえました。これほどの距離からのハイビジョン映像は世界初です。このハイビジョンカメラで月からの「地球の出」をリアルタイムに放送する予定もあります。

何用あって月世界へ-the_earth

10月4日、姿勢を変えて逆噴射し、月周回軌道に入りました(41万人のみなさんのメッセージとお名前も月にとどいたことになります)。日本の人工飛翔体で月周回軌道に入ったのは、1989年に宇宙研が打上げた「ひてん(MUSES-A)」に次いで2機目です。月の周りを長楕円軌道で回りながら、徐々に遠月点を下げて(中図)、9日(今朝)、遂に子衛星(Rstar:リレー衛星)を分離し、月周回軌道に投入しました。

何用あって月世界へ-orbit

その際にハイゲインアンテナ監視用カメラで月面を撮像しました(写真右)。一番右の暗いところが月の北極です。本家の高解像度地形カメラはまだ電源が入っていません。この後、月の重力を細かく調べるためのVrad衛星を分離し、月面から高度100kmの円軌道に軌道変更した後に、科学観測機機の電源が入れられ、チェックを経て、科学探査を開始します。

何用あって月世界へ-KAGUYA

乞う、ご期待!