タイトルはどこのことでしょう?

はい、オーストラリア南部のアデレードに近い砂漠です。

小惑星探査機「はやぶさ」は3回目の遠日点を無事に通過して、地球への帰還路を飛んでいます。このまま順調に飛行が続き、2009年春にイオンエンジンを再点火して軌道を変えて、2010年6月に地球に接近します。地球に最も接近した時に小惑星の「かけら」の入った再突入カプセルを分離して大気に突入させます。ウーメラ砂漠はそのカプセルが着陸する候補地です。もちろんそのままのスピードで砂漠に突っ込むと壊れちゃうかもなので、適切なタイミングでパラシュートを開いて、最後はゆっくり着陸する予定です。

で、今、何故、この時期この話をするかというと、日本から打ち上げた物体をオーストラリアに落とすわけですから、当然、オーストラリア政府なり何なりの許可が必要です。着陸したサンプルカプセルを日本に持ち帰るために輸入手続きも必要になります。それ以前に着陸がオーストラリア国民に被害の無いように綿密なオペレーションが要求されます。着陸のちょうど1年前には回収リハーサルもやらなければいけません。それらを考えると、そろそろ本格的にスケジュールを決めて動き出す時が来たということです。

先日、そのキックオフ会議が開催されました。一応、人の少ない広大な砂漠に落とす予定なので、カプセルの発するビーコン信号をキャッチするアンテナの設計・製造、回収チームの編成、光学観測体制(カプセルは大気に突入すると流れ星のように光ります)、落下地点での初期処理の手順など、具体的にするべきことがたくさんあります。何より安全性の確認とオーストラリア政府への説明と申請が第一です。

2010年、僕はウーメラ砂漠行きを志願しています。