「はやぶさ」に関して、JAXAは昨日と今日、立て続けにプレスリリースを行ないました。新聞にも掲載されたのでご存知の方も多いでしょう。

4/24;「はやぶさ」の科学観測機樹の取得データがアーカイブされ一般に公開されました。これで全世界の科学者が「はやぶさ」データを自由に利用できるようになりした。

4/25;「はやぶさ」は地球帰還に向けた本格運用段階に移行しました。イオンエンジン準備運用では4基のイオンエンジンのうち2基を用いて運用を行なってきましたが、片方の中和電圧が上昇したため、1基のみの噴射運用で地球を目指すことになりました。

先日、開かれた臨時運用会議では可能な限り2基噴射で運用し、次回地球接近時から1基運転に切り換える予定でした。同時に、不安定感が否めない1基の途中リタイヤも考えて、1基噴射でも地球に帰れる方法(運用)のバックアップを検討もしてありました。その甲斐あって、今回のように不具合が生じても慌てることなく、本格帰還運用に移行できたのです。

探査機(人工衛星)の運用は、常に最悪の場合、不都合が起こりそうなあらゆる場合について精査し、その対応策を考えて起きます。何も起こらなかったら、なお良し、起こっても致命的にならないようにチームの知恵を出し合っておきます。

この後、「はやぶさ」は9月頃までイオンエンジン1基を噴射し、以降の太陽から遠く離れた軌道ではイオンエンジンを止めて、ケプラー運動に身を任せます。そして、2009年4月頃から再び、イオンエンジンを点火して軌道を変え、2010年に地球に帰還する予定です。長い旅ですが、応援よろしくお願いします。