不思議絶対主義 | はやふみブログ||魔法のランプはどこですか?
マジックの世界については色々な意見もあると思うのですが
僕の中で「不思議絶対主義」というのがあります。

マジックの仕事は多くの場合、余興だし
不思議を求めず、盛り上がることが第一なことも多々あります。
それは理解するし、そういう経験も沢山したけれど
「不思議である」ということを外すわけにはいかないのが
本来のマジシャンという立場なのだとも思う。
演出なくても、不思議であればマジシャンと感じます。
逆に演出が優れていても、不思議じゃないとマジシャンではないのかな。
結構極論過ぎて、例外もあると思いますが。

表現が正しくないかもしれないけれど
仮にマジシャンのモノマネがいたとして
それはマジシャンなのか、という疑問がずっとあります。
モノマネなのだからマジックは出来なくても成立するのだけれど
マジックを演じることで「ウケる」のだろうとも思う。

マジックというものが、ある意味、安易でウケやすい一面があるので
そこを否定も出来ないし、だからこそマジック教室もあるわけで。

マジシャンの中でよくあるジョークがあります。
「すぐに出来て、簡単でウケるネタありますか?」

言ってみたら、そんな芸事なんて、マジックに限らずありえないのだけれど
可能性がゼロではないのが、マジックの強さでもあり弱さでもあるんだろうなぁ。
マジックが一つでも二つでも出来たら
それはマジシャンという評価になるんですよね。

僕自身が今はプレイヤーから少し距離を置くことになって
自信を持って出来るマジックとは何だろうかと
何度も自問自答を繰り返しております。
もちろん、ネタはオリジナルを含めて少しはあるのだけれど
プレイヤーに急に戻ると決まったら、多分こう聞くんだろうなぁ。

「すぐに出来て、簡単でウケるネタありますか?」

情けないことに、マジックの強さも弱さも
自分の中で武器にしているのかもなぁ。



今日のおもしろツイート
@girlmeetsNG 
アメリカではダース単位が多く使われるんだけど
「12進法分かり辛いから10進法の方がいい」と同僚のアメリカ人に言ったら
「分かってないな…ダースは優しい単位なんだ。ドーナツ12個なら3人でも4人でも6人でも分けられるが
ドーナツ10個だと3人でも4人でも喧嘩になるだろ?」と言われ納得してしまった…