8月に入ると、大学も夏休みに突入。お盆期間中には蓮や一平らが地元に帰ったり、実家に帰省する中、聡太は家族や親戚の大所帯で宮古島に旅行に出かけた。沖縄には本島や離島も含め大谷トラストグループ所有のリゾートホテルが数多くあるため、毎年沖縄県のどこかで夏休みを過ごすことが恒例になっていた。

 

宮古島ではのんびり島内を観光したり、海に入ってシュノーケリングしたり、ジェットスキーをしたり、ホテル内のプールで親戚の子供と思いっきり泳いだり、夜は高級ディナーを味わったり、たまたま居合わせたとある有名な芸能人家族に遭遇したりしたが、聡太にとっては最高の夏休みになった。

 

盆が明けると、国際科学オリンピックの中で理科系の科目では国内の大会が開かれ、陽翔は物理の、勇希は化学の、伊織は生物の大会の学生スタッフとして大会に参加したのだった。一方で数学でも数学好きの中高生が集まるセミナーが開催され、蓮・碧・奏・伊織もチューターとして参加したのだった。

 

一方聡太は言うと宮古島から戻るとまもなく、ルーマニアで開催される国際情報オリンピックに問題作成委員として、再び海外へ向かった。実は国際情報オリンピックで出題された問題の中に聡太が作問した問題が採用されたのだ。そのために現地へ行くことになったのだ。全問題8問のうち3問で聡太が提案した問題が採用され、情報オリンピック界隈でも聡太の存在感が増すことになったのだ。

 

情報オリンピック終了後、日本に戻ると思いきや、そのまま国際情報オリンピックと国際数学オリンピック財団の本部を表敬訪問し、それぞれの団体の幹部と大会の運営やこれからの科学教育について意見を交わした。さらにパリに行き、フレンチの三ツ星レストランで大谷トラストグループの現地スタッフと食事をし、グループ所有の現地パリの最高級三ツ星ホテルに宿泊。

 

宿泊後、パリ市内を観光後、パリからモナコへ。モナコを観光後、アメリカへ。招待されたアメリカのサンフランシスコにある「BLUE CODER」の本部を表敬訪問した後、ロスへ。ロスを観光後、日本へ帰国と実質世界一周の旅をしたようなものだったが、その旅のさなかにあるニュースがリリースされたのだ。

 

「米ウオッチ誌選出「次世代の100人」に大谷聡太さんを選出」

 

「アメリカの雑誌「ウオッチ」は、さまざまな分野で世界をリードすると期待される「次世代の100人」を発表し、日本人では東京大学1年生の大谷聡太さん(19)が選ばれました。大谷さんは現在東京大学の1年生。大谷さんは昨年まで高校生などを対象する数学の能力を競う国際数学オリンピックとプログラミング能力を競う国際情報オリンピックで日本人最多となる8個の金メダルを獲得。現在は東京大学の1年生で数学の研究者としても、国内外の数学者と共同研究を行い、すでに成果を上げつつあるということです。」