蓮が聡太と初めて出会って話をしたのは、小学校6年生の2月、日本算数オリンピックの表彰式でのことだった。この時が蓮が優秀賞で、聡太が満点の成績で金賞を獲得していた。このころから聡太は算数の才能がずば抜けていた。もっとも前にも中学受験を専門としている進学塾のSAPIXの東京本校に通っていて、常に最上位で1番の成績をキープしていた聡太に対し、蓮は最上位のクラスと上から2番目のクラスを行ったり来たりしていたのだ。

 

はなしかけてきたのは聡太のほうだった。蓮が最上位のクラスにいたのを覚えていたのだ。でもこの時はただたわいもない話をしただけで、連絡先も特に交換はしなかったのだ。でも当時から神童ぶりを見せていた聡太を個人的にすごく尊敬するようになったのだ。しかし中学受験では開成中学に不合格。しかし筑波大学付属駒場中学に奇跡的に合格し、進学することに。

 

中学進学後、蓮はテニス部と数学研究部を兼任で活動したのだが、この間も聡太は国際数学オリンピックに出場し、銅メダル→銀メダル→金メダルと学年が上がるにつれてメダルの色がよくなっていったが、蓮は代表候補になるも、なかなか代表になれなかった。しかし蓮が高校1年生の時、ついに聡太と海斗とともに国際数学オリンピックの日本代表に選ばれ、蓮は銀メダルを、海斗は銅メダルを獲得したのだった。しかし聡太はもう違う次元のところにいて、高校1年生にして満点の金メダルを獲得したのだった。とにかくすごいと、間近で見ても聡太のすごさを改めて感じたのだった。そして翌年も聡太は満点で金メダル、蓮は銀メダル、海斗とこの年初の代表だった伊織は銅メダルを獲得。チューターと呼ばれている先輩からは本番はラストイヤーである高校3年生で、まだ金メダル獲得できなくても落ち込むことはないといわれていたのだ。

 

そして迎えたラストイヤーである高校3年生。聡太・蓮・海斗・伊織に加え、灘高校の樹に、樹の後輩である高校1年生である大村大樹とともに国際数学オリンピック・フランス大会に挑んだ。なんとしても金メダルを獲得する。蓮と海斗と伊織はそう決意して難問に挑んだのだが・・・