「聡ちゃん、次世代の100人選出、おめでとう。本当誇りだわ。」

 

「ありがとう。自分でもこの話聞いたときは本当にびっくりした。」

 

聡太が次世代の100人に選ばれたのが発表されたのは、聡太がロスに滞在中の時だった。みんなから祝福を受けたが、ロス滞在中でマスコミの取材を受けることができなかったので、自身のSNSに直筆の文章をアップする形で、感謝の意とこれからの将来の目標についてコメントしたのだった。

 

日本へ帰国すると、友人や先生から直接祝福されたりして、メディアの取材を受けるなど、しばらくは忙しい日々を過ごすのだった。

 

「大谷聡太君、やっぱりすごいよね。確か国際数学オリンピックと国際情報オリンピックで4年連続で金メダル。高校3年時には満点で金メダル獲得。でウオッチ誌の次世代の100人に選ばれて、もう彼の頭脳の十分の一がほしい。」

 

聡太についてのニュース記事を見て、大吾は聡太に尊敬のまなざしを向ける。

 

秋学期がスタートし、クラスメートが再会し、東京大学でも一六大学でも授業が再開されたのだった。ただ哲郎はあいかわらず来ないままだった。

 

「大谷聡太??」

 

「どうしたの?」

 

「大谷聡太ね・・・」と悟は軽く息を吐きながら言う。

 

「えっ、まさか知り合い??」その悟の姿に、大吾は問い詰めた。

 

「まあ、知り合いといえば知り合いだし、そうでもないと言われたらそうでもない、」

 

「えっ、本当に知り合い??」大吾の声が大きくなった。

 

「おい、声がでかいな。別に友達じゃないよ、すぐに転校したしさ。」悟は軽い口調で言った。

 

「でも知り合いだったんでしょう?」大吾のテンションはずっと上がりっぱなしだ。

 

「知り合いじゃないから、ただ1回だけクラスメートになっただけ。」

 

「クラスメート??凄いじゃん?」

 

「テンション上がりすぎだろ、別に友達でもなんでもないし。大吾絶対、大谷君にあこがれてそうだったから、あえて今まで名前を言わなかったんだけど、でもよ俺から一つ言えることは、あいつには近づくなってこと。あいつの家、超金持ちだから何とでも学校のルールとか社会のルールとか全部思いのままに変えれるんだよ。」

 

「えっ、超金持ち??」

 

「ああ、あいつはうちらとは住む世界が違うんだよ。」

 

「超金持ちだったら、ますますあこがれちゃうな。」聡太がお金持ちだと知って、大吾のテンションはさらに上がった。

 

「ああダメだ、とにかくあいつには近づくなってことだ!!」悟は大吾にくぎを刺すように言った。

 

「大谷聡太・・・なんであいつばっかり・・・くっそ!!俺はあいつと数学の才能同じじゃなかったのかよ!!全部あいつらがすべて悪いのに!!・・・くそったれ。」聡太が次世代の100人に選ばれたのを知った哲郎はめちゃくちゃに悔しがった。同時に何か怒りがこみあげてくるのがわかったのだ。

 

「本当にどうすれば・・・そうだ。」