「なんだなんだ?一台の黒塗りの車が来たぞ?」

 

「誰だ?」

 

みんなの視線を一気に集めるように黒塗りの高級車が一台現れたのだ。そこから降りてきたのは・・・

 

「おっ、最強のお出ましだね。」

 

「おはよう、皆これからよろしくね。」

 

「あれ、あの人テレビで見たことがある、確か数学の超天才って。」

 

皆の視線を一身に集める数学の超天才。彼の名は大谷聡太。

彼こそ高校3年生のクラスの担任だった田村先生に「開成高校創立始まって以来最高の天才」と言わしめた彼がなぜ開成高校創立以来最高の天才と言われるようになったのか。その理由は彼の圧倒的な実績にある。

 

14歳の中学2年生時に大学の教授との共同研究で数学の新たな定理と証明方法を発見。

 

世界各国から数学好きが集まる数学の世界的なコンテストである国際数学オリンピックでは中学1年生で初出場し、銅メダルを獲得。中学2年生の時には銀メダルを獲得すると、中学3年生で日本人最年少で金メダルを獲得、以降高校3年生まで4年連続で金メダルを獲得。特に高校1年生・2年生・3年生の3年間は満点で金メダルを獲得。特に史上最高難易度と言われた高校3年生時には出場者でただ一人満点を獲得し、世界の数学界を震撼させた。

 

さらにこれだけではない、競技プログラマーとしても高校生にして最も権威のある大会である「BLUE  Coder」において高校生でありながら優勝し、「グランドマスター」の称号をもつ数少ない日本人の一人に選ばれ、さらに世界中の高校生以下のプログラマーが集まる国際情報オリンピックにも出場し、こちらも4年連続で金メダルを獲得、高校3年生時にはこちらも満点で金メダルを獲得。計8つの金メダル。国際科学オリンピック史上、日本人最多の金メダル獲得数であった。

 

もちろん学校の成績も優秀で、開成高校の校内模試では常にトップ。多くの東大志望の受験生が受験する東大オープン模試で1位と。圧倒的な実績を残し、いつしか開成高校の教師の間では開成高校創立以来の最高の天才と言われるようになったのだ。
 

数検は10歳にして1級を取得。漢検・英検は小学生のうちに全て1級を取得。実は公には公表していないが、家族の勧めでIQを測定したらIQが220というとんでもない数値を叩きだし、高IQの人しか入会することができないMENSAの会員にもなっているのである。その突き抜けた数学の才能により、日本の「超VIP」が才能ある子どもたちを支援するために設立した財団のメンバーに選ばれ、数学界の世界的権威である大学教授と共同で数学の研究をしているのだ。

 

さらに実家は旧皇族につながる家系で、世界的な不動産デベロッパー(開発業者)である大谷トラストホールディングスの御曹司でもある。まさに漫画や映画にも出てくるような人物、それこそがこの大谷聡太という男なのだ。

 

語学も堪能で、英語はぺラペラ。中国語もフランス語もハングル語もある程度は喋れるのだ、だから今回東京大学理科一類進学時に第二外国語でスペイン語を選択したのだが、そうするとみんな同じクラスになったというからくりなのだ。

 

その圧倒的な実績もあって、たびたびテレビ番組にも取り上げられているので、知ってる人は知ってる存在なのだ。

 

「蓮も伊織も勇希もこれからよろしくね。」

 

「本当、これからよろしくね。」

 

「じゃあ行こうか」

 

こうして大所帯となったメンバーは聡太を筆頭に会場へ入っていく。

 

「それではこれより東京大学の入学式を開催いたします。」

 

入学式では大学総長・教養学部長の挨拶の後、各界から祝辞を経て、新入生の総代、つまり新入生の代表が挨拶をするのだが、毎年各類系の持ち回りで、今年は理科一類、新入生を代表して大谷聡太が挨拶したのだった。

 

入学式終了後、新入生は家族やクラスメートと記念撮影したり、思い思いに過ごす。聡太も父親の茂と母親の真由子とともに「東京大学入学式」の看板の前で記念撮影をしたり、東京大学理科一類の15組のクラスメートとともに写真を撮ったりしていた。

 

「改めて、2年間よろしくね。」そう言って碧や聡太らに声をかけてきたのが、飯島佑樹(西大和学園高校出身)、池沢圭太(浅野高校出身)、斎藤克也(三重・高田高校出身)、上本慎太郎(国立名古屋大学付属付属高校出身)で、このうち克也と慎太郎は高校3年時に国際化学オリンピックで金メダルを獲得しているのだ。そしてこの4人も聡太や碧らとともに、理科一類15組のクラスメートなのだ。なんと第二外国語でスペイン語を履修する理科一類15組は国際科学オリンピックの金メダリストが多数のいわばアベンジャーズクラスだったのだ。そんな中でも国際数学オリンピック・国際情報オリンピックで両方で4年連続で金メダル獲得、高校3年時には両方満点で金メダル獲得、いわば世界最強である聡太の実績が群を抜いているわけだが。

 

「こんにちは。」

 

「どうも、また大学でもよろしくお願いします。」

 

「うちの両親、聡ちゃんの両親に挨拶してる。」

 

蓮がふと視線を別のところにやると、自分の両親が聡太の両親に挨拶をしている。さらに伊織と勇希の家族も聡太の家族に挨拶をしている。

 

さらに陽翔や拓海らの両親も聡太の家族に挨拶をする。もちろん聡太本人の実績もあるだろうが、両親も日本有数の富豪である大谷トラストグループの創業家一族であることも影響しているだろう。

 

こうして多くの知人に囲まれながら彼らの大学生活が幕を開けたのだった。

 

「やはり大谷聡太君、東大だったよ、新入生代表で挨拶をしていたよ。」

 

「よかった、ひとまず潜入成功だね。」

 

「そう。でこれからどうする?」

 

「まずは本当に大谷聡太君が"あの会社”とつながりがあるかだね。まあ同性で、実は関係ないって可能性もあるけど。今わたしたち地方住みだったから、確かめる手段がなかったけど、今回大谷君と同じ大学に入れたから調べられる可能性が出てきた。後は成績。ちゃんと勉強しなさいよ。留年したら元の子もないから。」

 

「わかってるよ。」

 

「頑張って、また連絡ちょうだい。」