「聡ちゃん、イギリスどうだった?」

 

「すごく勉強になったし、良い経験になった。新たな知見も得られて、それを発表する予定なのよ。」

 

新年度がスタートし、聡太らみんな大学2回生としてのスタートを切ることができた。聡太は大学が休みの間に、イギリスで世界的な数学者であるシリウス教授の下で数学の研究を行い、その中で成果を上げることができ、それを近いうちに発表するという。イギリスでの研究生活は聡太にとっては刺激的なものだった。また再訪する予定であるとともに、将来は数学者になるという幼少からの夢をかなえたい、そう強く決意したのだった。

 

そんな聡太でも、普段の大学生活では理科一類のクラスメートらとともに、ふつうに勉強したり、食堂でご飯をたべたり、図書館で勉強したり、学校が終われば時に自分の数学部屋、もとい秘密基地でゲームしたり、映画やテレビを見たりとふつうの学生生活を送っていた。

 

 

「哲雄、どう?」

 

「うん、とりあえず数学以外の科目を強化しないと。」

 

またしても4月から浪人生活に突入した哲雄は、またしても家で自主的に勉強する生活を選んだ。来年こそは東大に合格する。そのためには課題が明白であった。数学以外の科目を強化する。国語・英語や物理。とにかくここを強化する。こうして再びの浪人生活を送ることになった哲雄。しかし・・・

 

「この大学でもよいかな・・・数学オンリーで大学でも勉強できるのなら。」

 

「お母さん、無事2年生に進級できたよ。」

 

「そう、よかった。引き続き勉強頑張って。そして調査も頼むよ。」

 

「うん、調査も引き続きやってる。ただガードが、大谷君、凄いところに住んでるみたいで。」

 

「そう・・・でもなんとしても大谷家に一矢を・・・」