「みなさん、全体集会を始めます。まずは表彰をしたいと思います。今年度の算数オリンピックで見事、6年生の大谷聡太君が金メダルを獲得、それも100点満点という素晴らしい成績でした。。本校創立以来初の快挙であり、特別表彰したいと思います。では大谷君どうぞ、前へ来てください。」

 

「やっぱり、あいつはすげえよな。」

「本当天才だよな。SAPIXでも東京本校の一番上のクラスで一番の成績なんだし。」

 

「ありがとうございます。本当にみんなのおかげで金メダル獲得できたので、これからも頑張っていきたいと思います。」

そういって、生徒たちが口々にひそひそ話をする中、聡太は頭を下げた。

 

「本当、凄いよな。俺なんか名簿にすら載ってなかったんだし。」

 

「SAPIXでも一番だし、財団の特待生として他の人には負けられないよね。」

 

「でも本当に満点を獲得できるとは」聡太は謙虚に語る。

 

今回の算数オリンピックには聡一郎たちの通う東京第一小学校から多くの生徒が予選に参加した。そもそも東京第一小学校から多くの生徒が算数オリンピックに参加したのも大谷聡太の影響で、聡太がすでに数検1級を獲得したり、数学の権威である大学教授と共同研究をしているのを知り、刺激を受けたのか、大挙して算数オリンピックに参加したのだった。結果聡太が金メダル獲得という大きな結果が出たのだった。

 

「算数の時間は完全に大谷先生だもんな。」もう担任の渡部先生も聡太に算数の類まれなる才能があるのをわかってくれているので、授業の内容について聡一郎に確認を求めたり、聡一郎が教科書の内容を補足説明したりするのを認めたり、聡一郎の自由にやらせてくれているのだった。他の生徒もそんな聡一郎の姿に文句を言うことは決してなかった。なぜなら学校での成績も1番、中学受験専門の塾であるSAPIXでも一番上のクラスで1番の成績だったからだ。

 

「今度は中学受験。開成中学校が第一志望だけど、もうほっといて合格できるだろう。」

 

「先生、そんなこと言わないでくださいよ。受験は何があるかわからないので。」

 

「大谷君なら大丈夫よ。」