産能大学(通信教育課程)は卒業しやすいのか?ということの考察の2回目は、卒業するにあたって、求められる学力水準についてですが、学力水準をはかるのは難しく、卒業要件から、卒業のしやすさを考えてみたいと思います。「我らが南海ホークス」が卒業した当時の卒業要件は、4年の在籍、124単位以上の修得(内スクーリングによる単位修得30単位)、基本・基礎教育科目から12単位、総合教育科目から62単位修得するようにとの制約があるのみでした。

 「我らが南海ホークス」が在籍した6年間の観測、さらには、産能大学(通信教育課程)開設当初と比較すると年を追うごとに、卒業要件は、緩くなっていますね。開設当初は、卒論は必修科目でした。(現在は選択科目です。)また「我らが南海ホークス」が科目履修生として在籍していた頃は、「経営学総論」、「簿記原理(現:簿記入門)」、「経営と情報技術」の3科目が必修科目となっていました。あるとき、必修科目の設定がなくなり、これなら、「我らが南海ホークス」でも卒業できるかもと思い、正規の学生として、入学を決めたくらいですから。

 卒業要件だけをみると、確かに卒業しやすいと思います。ただし、各科目の難易度はさまざまで、森谷科目といわれる「経営システム分析の基礎」をはじめとした定性分析をもとに、”しくみづくり”を展開してくる数科目は、難関中の難関といわれています。また、科目との相性は、人それぞれで、「我らが南海ホークス」は、産業心理関係の科目とはことごとく、相性が悪く、ほとんど、単位修得に至りませんでした。という具合に、科目選択によっては、単位修得が至難の連続となり、結果として、卒業も難しくなる一面もまた、あるので、一概にはいえないものの、概ね、単位修得もしやすく、卒業しやすいと思われます。

 

 6年がかりで卒業にこぎつけた産能大学(通信教育課程)での学習記録も、「ITコーディネータをめざす」の科目情報の記事で一区切りとなりました。卒業に至るまでの間、あちこちのサイトで、情報収集をしてきましたが、その際、少なからず、目にした記事のひとつに、産能大学は卒業しやすい、過激な意見として、学位濫造機関という評価があります。

 産能大学は卒業しやすいのか?確かに「我らが南海ホークス」のような者でも卒業できたのだから、卒業しやすいのではないかと言ってしまえば、みもふたもありませんし、また、説明にもなっていませんね。

 この問いに答えるにあたり、2つの側面から検討してみる必要があろうかと思います。2つの側面とは、1つは、履修システムの問題、もう1つは、求められる学力水準の問題となります。

 今回は、前者について、言及してみたいと思います。

大学(短大含む)通信教育の学修は、履修登録の後、テキスト配本、テキストの自学自習に始まり、課題リポートの作成、提出、必要に応じて面接授業(いわゆるスクーリング)を受け、科目修得試験(単位修得試験等)にて、単位修得という流れの繰り返しになります。一連の流れのなかで、各校の差異として、あらわれるのが、スクーリングの受講しやすさ、科目修得試験の受験機会、受験に必要な条件といったところだと思います。

 知る限りにおいては、科目修得試験の受験にあたって、事前に課題リポートの合格が求められるのは、各校共通の要素のようです。課題リポートを速やかに採点、添削してもらえれば、何ら問題はありませんが、過去にK大では、課題リポートの採点、添削があまりにも遅すぎて、裁判を起こされたケースがあります。産能大学では、マークシート式のものは2週間程度、記述式のものでも1箇月程度で返送されてきます。

 スクーリングについては、産能大学の場合、基本的には、金土日、土日祝の3日間の受講で完結するかたちとなっています。ちなみにB大とかN大では、1週間とか2週間連続となっているようです。これだけの長期間ともなると、特殊な職業に従事しているか、通信学生専業でもない限り、受講は難しいですね。それでいて、スクーリングは卒業するうえでは、避けて通れないので、具合が悪い。

 科目修得試験の受験機会は、放送大学の年2回、産能大学の年8回など、各校とも、年に数回の試験機会を設けているようですが、多くの学校では、科目ごとに試験日、試験時間が定まっています。これに対し、産能大学では、開講科目をA、Bグループに分けて、Aグループ試験日、Bグループ試験日との制約はあるものの、試験当日は各人の申し込み科目、最大4科目を、学生一人一人が自由に受験できるシステムになっています。

 以上のように、産能大学の場合、他校と比較すると、どの項目でも、(多くは社会人)学生の受講負担を減じようとする配慮がなされているように見えます。これらの配慮による学修のしやすさが、産能大学が卒業しやすいといわれる所以のひとつだと思います。

ITコーディネータをめざす  現在は、「ITマネジメントの考え方」と改称されています。この科目もまた、産能大学大学院MBAプログラムにつなげていくもので、「ITコーディネータをめざす」は、ITマネジメント戦略の教育段階では、基礎にあたり、学部では、その発展科目として、「ITマネジメント戦略」という科目が設定されています。 「ITコーディネータをめざす」では、企業経営にITがどのように関与していくのかを部門(例、販売、物流など)ごとに言及し、テキスト後半では、実際にITを企業経営に導入していく際の注意事項などについても、ふれています。リポートはマークシート式のものが1通のみです。

経営戦略の考え方  この「経営戦略の考え方」もまた、以前、紹介した「マーケティングの考え方」と同様に、産能大学大学院MBAプログラムにつなげていく科目のひとつで、今回、紹介する「経営戦略の考え方」は、経営戦略の教育段階では、基礎にあたり、学部では、その発展科目として、「経営戦略」という科目が設定されている。「経営戦略の考え方」では、経営戦略とは何かというところから始まり、よく誤解される戦術との違いに触れ、その後、経営戦略を打ち立てるにあたり、どのような手続きを経ていくのかを、原則として、見開き2ページのなかで言及している。テキストでも言及されていますが、実務では、経営戦略の策定に関与する機会に恵まれることは多くはないだけに、日ごとの仕事がどのような流れで決まってくるのかを知ることができる格好の科目と言えます。経営戦略で、大目標を立て、マーケティングなり財務戦略なり(他にもいろいろある戦略)で、大目標を実現できる中目標を立て、各部署が中目標を実現できる小目標を立て、小目標の実現のために、各人がノルマというかたちで日々、仕事しているわけですな。

 なお、リポートはマークシート式のものが1通のみです。

 科目の履修順序というものは、基本的にはありませんが、この「~戦略(の考え方)」シリーズについては、仕事の機能を踏まえるためにも、経営戦略(の考え方)を、他の戦略(の考え方)に先駆けて、履修することをお勧めします。

 経営戦略ならびにマーケティング戦略をどのように打ち立てるかを具体的な事例で考えた著書に織田隼人『MBA恋愛戦略』(大和出版)があります。理解を進める材料のひとつとして、活用してみてはいかがでしょうか。

生活習慣と予防医療  昔でいう”成人病”、現在でいう”生活習慣病”に捕らえられている「我らが南海ホークス」としては、「生活習慣と予防医療」のような文字をみると、無関心ではいられず、つい履修登録してしまいました。気になるその内容ですが、4章から成り、生活科学、環境論、保健政策、健康科学・栄養学の各視点から語られています。期待される健康科学・栄養学の話は、1章のみで、その内容は、適切な食事と運動をしましょうということに集約されており、特段、目新しい話は見られません。また生活科学の視点から、”豊かさ”の再検討、環境論の視点から、自分たちを取り巻く大気・水・その他の有害性が語られていますが、それを知ること自体は悪いことではないのですが、個人レベルで改善を図ることは至難な問題ばかりで、それを知ったところで私達にどうしろという苛立ちを覚えさせる、中途半端な展開がなされており、テキスト刊行を焦りすぎた感が否めません。正直なところ、改訂がなされるまで、お勧めできない科目といえます。なお、リポートはマークシート式のものが1通のみです。