新人監督の門出に冷水―。
この惨劇は山川の獲得以上に落胆する向きが多いのではないか。小久保はことあるごとに「先発が確定しているのは有原と和田の2人だけ」と発言している。にもかかわらず交換要員扱いしたとは、俄かに信じられない。
指揮官の意向を無視して戦力を編成するなど狂気の沙汰。よほどの素人か嫌がらせとしか考えられない。フロントと現場の意思疎通がここまで希薄だとすれば、もはや球団の体をなしていない。
和田の面目は丸つぶれ、甲斐野は人身御供、山川も心中穏やかではないだろう。昨季やや息切れしながらも先発2番手でチームに貢献した162勝投手が不貞腐れても、誰も文句言えない。他の選手に与える影響も計り知れない。チームはガタガタになるだろう。出て行く甲斐野が一番得をした。
真相は藪の中だから追求しない。ただ、和田をプロテクトから外し、西武が和田を指名したのなら、そのまま強行するのが筋である。和田を見切ったのなら、それはそれでフロントの判断。ファンの反応に怖気づいて翻意したのなら最悪である。信念を持ってチームづくりに注力しなければならない。
和田をリリースした場合の反応を推し測れなかったのなら、フロント失格である。けっきょく、どう転んでもプロのフロント業務ではなかったということだ。フロントの迷走はひと昔前の杉内トレード以来、この球団のお家芸になってしまった。
この一件で、ファン離れが加速するのは間違いない。王会長がいながら、この大失態。「世界の王」は、なんとコメントするのだろうか。今季はチーム崩壊を目の当たりにするのではないか？
