わずか3試合で選手個々の成績を論評するのは、正鵠を射ることは難しいが、8年間の屈辱を晴らす重圧のかかったゲームばかり。その3試合における数字は、公式戦と比べて倍以上の重みがある。
とまあ、こじつけに近い前提だから、頂上決戦前夜の箸休め程度に読み流していただければと思う。
まずは打撃。計算間違いを承知で調べてみた。打席に入った選手は合計13人。95打数26安打。平均打率355。ここには福田・明石の1打数1安打=10割が入っているので、2人を除けば238になる。
長谷川の545(11打数6安打)を筆頭に内川455(11打数5安打)、川崎417(12打数5安打)の3人が好成績を残した。小久保・多村が10の2で2割。本多111(9の1)、松田100(10の1)、そしてカブ091(11の1)。細川は5の0。スコアが4-2、7-2、2-1で松中の満塁HRがなければ、1試合平均3点である。
細川もなんとか1本くらいは打ってほしいが、カブの091は予想通りだけに、もはや論外である。まさに4番抜きで戦ったようなもので、ヤクルトの悩める4番・畠山さえ仰け反る。「こけおどし」にもならないばかりか、これで「調子は100%」というなら、今後出番を与えるのは背信行為に等しい。期待したほうが(少ないだろうが)悪い、という他ない。
盗塁はわずか1つだが、こういう試合は、そうそうスタートできるものではない。第1戦で川崎が決めただけで、本多はその試合のバント失敗でプレッシャーがかかった。松田も1本HRが出はしたが、力み過ぎ。もちろん涌井の好投もあったから、一概に言えないが、もう一工夫がほしかった。
投手は立派の一言。3試合で5失点はCS突破の原動力になった。とくに初戦で和田がリードを保ったのが大きかった。摂津の2失点も予想より1点少なかったし、杉内は6回以降4回の得点機にスクイズでもして1点をもぎ取っておけば、泣かないですんだ。また森福も自分で蒔いた種もあったがよく凌ぎ、馬原もお得意の4者凡退で抑えてくれた。
一方、西武は中島のブレーキが響いた。根拠はなにもないが、平尾がたしか風邪を引いて抹消されていたので、中島も風邪で体調不良ではなかっただろうか。昨年の今江、清田のようなお祭り男になるべき中島に元気のないのが、もし風邪が原因だとしたら不運だった。
渡辺監督の温情采配が裏目に出た気もする。第3戦で勝ち越した10回裏。2死2塁で長谷川のところで石井一が来ていたら、ゲームセットだったと思う。というより、回のアタマから石井でもよかったのではないか。そうなると、まだ3勝1敗で有利ながら、ホークスに、いらぬ重圧がかかる懸念も生じた可能性もある。
3戦を通して感じたのは、お代わりも言っていたが、やはり投打とも地力の差である。代打や代走で出てきた明石・福田がきっちり1打席をモノにする。先発、中継ぎ、抑えとも分業が確立されており、西武との差20.5ゲームは、そのままチーム力の違いになって表れていた。くどいようだが、ホークスは実質「4番不在」だった。この状況で3タテ。ロースコアだから実力が拮抗しているのではなくて、力があるからロースコアで勝てるのである。それは中日にも同じことが言える。
それから第2戦の松中の代打満塁アーチ。あれで今年はいけると確信した。プロ選手は一人ひとりが個人事業主だが、今年は「なんとしてでも」という結束力が松中の一発でグンと固くなったような気がした。
PS:12回裏の攻撃は不要だった。武士の情けと言うものがあろう。敗者を讃えなければいけない。もともと勝ち上がりのための試合なのだから、その趣旨に沿えば、西武にあんなみじめな守備をさせるのは、あまりにも配慮に欠ける。ああいうケースは、特別ルールで攻撃側に3アウトを記録してゲームセットにすべきである。
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