[ハワイ] 爺さんサーファーの人生 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ




4年前、コロナで仕事が全くなくなり、

始めてみたYou Tube 。

[ハワイ俺様日記] とタイトルを付け、

ウチのチンピラ犬、「俺様」が主役になり、

20ドル以下の食べ歩き、

ビーチやカピオラニ公園で、

起こったハプニングやハワイの風景などを、

四苦八苦しながらも週に一回、

どうにかこうにか編集し、

アップを続けてきた。

 そんな主役、

可愛い?俺様犬との

お散歩は基本一日3回。

朝、夕、寝る前に

アパートの界隈をぐるりと回る。

所要時間約20分ほど。

今朝も朝7時半、

いつものように俺様を引き連れ出発。

そんな散歩中に、

いつもの角で、会うおっさん。

いや、爺さん??

第一印象は ..申し訳ないけど、

一瞬ホームレスかなと警戒するほど、

古い自転車に、ヨレヨレのTシャツにパンツ。

どこかで盗んで来たんではないか!

と思わせるほど、

爺さんとは全く不釣り合いな、

ロングボードが、

自転車に積んである。

サーファーとは無縁であろう、

そんな、うらぶれた感じの、

陰気な雰囲気を漂わせている。

キャップを被り、サングラスをしているので、

年齢不詳だけれど、白いひげが、

60代か、70代なのを物語っている。

何回か会ってる内に、

泥棒ではなく、古い自転車を改造し、

そこに大きなサーフボードを積んでいること。

ホームレスではなく、

散歩道に建っている、

小さなアパートに住んでいること。

毎朝8時前後に、

帰ってくる等、段々と分かってきた。

大きなボードを部屋に運ぶため、

先ずは、自転車は前の芝生に横たえて、

ボードを担いで入っていく。

今まで、

何十回そんな場面に遭遇しても、

お互い話をしたことはなかった。

今朝。

いつものように、

いつもの時間に、

いつもの場所に差し掛かると、

爺さんがボードを積んだ自転車で、

帰ってきた。

何故だかわからないが、

無視されるのを覚悟で、

今朝は思いきって話かけてみた。

サーフィンに行ってきたんですか?

すると、爺さんは、

そうだよ。

いつも朝4時には自転車で出発するんだ。

えぇー!!早いですね。

ワイキキビーチですか?

そう、そこには仲間がいるから、

まずビーチの掃除をして、

それからサーフィンするんだ。

そして、みんなと色々話してから、

帰ってくるのが、今頃の8時になるんだよ。









へぇー!!


爺さんは全く嫌がらず、


何でも話してくれた。


でも朝4時に出発するってことは、


夜何時頃寝るんですか?


と、婆は、興味津々で色々たずねる。


寝るのは6時半、


そして、起きるのはね、2時半なんだよ。


えー!?とびっくりしている婆を、


気にする風もなく、


何か思い出すように、


遠くを見つめて、


こう続けた。


普通じゃないだろ?


自分はね、、ワイフを亡くしてから、


こんな生活をしているのさ。


子供もいないからね。


だから一人さ.......


色々思い出す夜に起きていたくないんだ。


ワイキキビーチで一日の始まりを迎える。


毎朝ビーチを掃除する。


少しでも誰かの役にたっているのが、


ただ嬉しいのさ。


そして、大好きなサーフィンをし、


仲間と話して帰る。


夜が始まる6時半に、ベットに行くのさ。


それが今の俺の人生......


そうか、そうだったのか.....




一人で生きていく覚悟と、


その生き様。


それぞれの人生を、


みんな一生懸命生きている. ...



Have a nice day !!


じゃあまたね!!と笑って別れた、朝。




坂村真民    《何かをしよう》



何かをしよう

みんなの人のためになる

何かをしよう

よく考えたら自分の体に合った

何かがあるはずだ

弱い人には弱い人なりに

老いた人には老いた人なりに

何かがある筈だ

生かされて生きているご恩返しに

小さいことでもいい

自分にできるものをさがして

何かをしよう



そうだよね、、


って窓の外に向かって一人呟いてみる、、


が、ダイヤモンドヘッドは今朝もまた、


何にも言わず、


ただ黙って佇んでいるだけ.....


続く。


(今朝のワイキキ)
(ダイヤモンドヘッド)