[ハワイ] 島暮らし 永遠などない | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



晴天の昨日、


レンタルしている軽のバンを飛ばし、


本土へと急ぐ。


もうすっかり右ハンドルにも、


左側通行にも慣れた我ら老夫婦。


急がねば、


息子家族とのランチの時間が迫っている。


その後は、


みんなで一緒に、


施設に入っている母に会いに行く予定。


ランチ、どこで何が食べたい?と聞かれ、


迷わず「町中華」と答える。


帰国して、3週間過ぎ、


大体のものは、もう食べ尽くし、


栄養失調気味だった身体は、


新鮮な旬のものでしっかりと潤って来ている、


一年間ずっと我慢していた、


夢にまで見た日本の寿司も、海鮮丼も、鰻も、


たこ焼きも、うどんも、天ぷらも、ラーメンも、


串カツも、刺身も、焼き鳥も、


全て食べ終えた(笑)


後は、町にある普通の中華屋さんで、


チャンポンか五目そば、天津飯か中華丼


いや、エビチリも食べたい!!


ってなわけで、


部活を終えた孫達と、


みんなで美味しい中華を頂く。


息子おすすめの店は、


ご夫婦で40年以上やっている、


町の外れの小さなお店。


安くて旨いからか、お客さんでいっぱい。


しばらく待って、やっと入れた。


メニューを見る。


な、なんとラーメン一杯が550円.....!!??


ハワイのラーメンが頭を過る、、、


どんなに安くても最低2千円はする上、


15%から20%のチップだってかかる、、、


二人でしばし、感動する。


迷った挙げ句注文したのは、


チャンポンとエビチリ。


念願のエビチリが、胃に染みていく、、、


とろみがある野菜たっぷりの餡がかかった、


チャンポン....


あぁ、幸せだ。



爺はチャーシュー麺を。



ニンニクの効いた餃子をつまみながら、


みんなでワーワー話しながらランチ終了。


それから、息子の車に乗り換えて、


母がいる施設に40分ほどかけて向かう。


今までは、帰国する度に、


当然のように実家に泊まり、


いつも毎日ずっと一緒に、


ごはんを食べ、


母の部屋でテレビ見ながら、


何回も昔話をし、笑い合っていたのに。


農家の長男に嫁いだ村一番の美人。


働き者だったそんな母も90を越え、


住み慣れた田舎の古くて大きな家を離れ、


遂に施設に入った、、、


山の麓にある施設。


心の奥底では、


正直、母のそんな姿は見たくはない。


なんて思っていた。


あの母が施設にいる?


そんな気持ちを抱えながら、


母と遂に対面する。


この母親、


久しぶりの娘の顔をチラっと見て、直ぐに、


その横にいる爺を発見。


娘は完全にスルーし、


「お母さん」と言い駆け寄る爺に、


抱きついていく(笑)


そう、2人でちゃっかりとハグ(笑)


その光景を皆でみながら、


家族皆、自然と笑みが溢れる。


よう、来たねぇ、、


今夜はなんか美味しいもの、


みんなで一緒に食べに行こう。


きっとまだ実家にいると思っているんだろう。


孫やひ孫といっぱい話して、


幸せそうだった母、、、


永遠などない.....


その横顔を、後ろ姿を、


笑顔を、その声をしっかりと胸に刻み付ける。


(爺とハグの後握手する)

そう、永遠などないのだ。


色んな思いを抱えつつ、


帰った我が家は、


まるであの実家を再現してるようで、


その引戸の向こうから、


昔の若かった母が、


「お帰り」って、


ひょっこりと顔を出しそうな錯覚に陥り、


胸がキュンとする、、、


お互いなにも言わず、


爺と無言で酒を酌み交わした、


そんな島の夜は、


静かに更けていった....




そうだよね....


って遠い空の向こうの、


ダイヤモンドヘッドに向かって、


問うてみるが、


あまりにも遠すぎて、


返事はまだ、ない。


続く。