[ハワイ] 雨に濡れながら嗚咽した30代 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ


(今朝のシャワーの後のダイヤモンドヘッド)

若気の至りで何も考えず、

結婚したら普通にみんな、

幸せになれると思っていた、あの頃の自分。

延々続く、夫の言葉の暴力で、

円形脱毛症になり、

泣いてばかりいた20代。

半世紀前。

結婚したら、何があっても添い遂げる。

妻は3歩後ろを歩き、何があっても我慢する。

時代は変わりつつあったけど、

まだそんな男尊女卑の恐ろしい呪縛の、

昭和全盛期。

親戚にも周りにも、

離婚している夫婦などいなく、

自分の人生に、

「離婚」と言う言葉はまず、なかった。

やっと分厚いコンピューターが売り出され、

ポケットベルが出始めた、

モラルハラスメントの言葉もなかったあの時代。

いや、時代のせいではない。

ただ自分に勇気がなかっただけ。

おかしいことはおかしいと、言えばよかった。

助けてくれと、叫べばよかった。

我慢は美徳。

我慢していれば、きっとその内なんとかなる。

きっとその我慢は報われて、

もしかしたら平和が訪れるかもしれない。


子供たちも小学校になり、

夫が会社を辞めビジネスを始めた、30代。

すごく儲かるわけでもないが、

家族4人暮らしていける収入はあった。

妻を手伝わせて、ますます依存していく男。

自分が中心、第一順位は自分だから、

髪を整え、仕立てのいい服を、

いつも自分のためだけに買い、

そこそこの車に乗り、

ますます調子に乗り、

どんどん若返っていく夫とは対照的に、

ストレスで食べても食べても太れず、

痩せこけて、

自分の見かけなど気にする気持ちの余裕など、

全くなく、疲れ果て老け続ける妻の自分。

2人で一緒にいた時に、

夫のことを知っている人が会社に来た。

笑いながら確信を持って言われたのは、

あ、お母さんですか??

気まずい雰囲気を察したその人は、

そのまま、そそくさと帰っていったけど、

遂に親子に間違われたか、、と思うだけで、

もうなんの感情も沸かなかった。

四六時中一緒にいるわけだから、

ますます依存と束縛はひどくなる。

自分の機嫌次第で、

誰もいないとこで行われる、

意味も原因も定かでない、怒り。

お前はダメだ。何回言ったらわかるんだ。

お前のせいだ。お前が、お前が、お前が、、、

散々いたぶり、気が済んだら、

ケロっと普通に戻る、夫。

そしてまた普通の状態が続き、

同じことを繰り返す。

何回も、何回も。何年も、何年も、、、

自分のストレスが溜まったら、

執拗に妻に暴言を吐き続け、いじめるが、

1歩外に出ると、

爽やかな優しい良い夫を演じる、異常。

突然笑顔が消え、

なんだ、その目は?と、始まる。

真っ赤な顔をして、罵る、

豹変するその男の顔を見ながら、

初めて、聞こえないふりをした。シカトをした。

そんな態度が気に入らないと、

もっとエスカレートする男の顔を見ながら、

気が済むまでやれば?

自分の感情もコントロールできない人間の癖に。

と、静かに言った、30代。

一瞬怯んだ夫だが、

何かを叫びながら、

私が大事にしているものを、

手当たり次第に、2階の窓から投げ捨てた。

布団や枕まで....

雨が降る、寒い夜だった。


雨が降りしきる中、

投げ捨てられた、

大事にしていた本や布団を拾い集めながら、

子供が大きくなったら離婚しようと、

この時にやっと決意する。

そして思った。

自分は、

自分だけは、

こんな人間にはならないようにしよう。

人に優しくしよう。

人を誉めてあげよう。

人に、人に、、と思いながら、嗚咽した、

寒い雨の夜。




ブログを書き終わり、

窓の外を見ると、ハワイは、

こんなきれいな優しいダブルレインボーを、

プレゼントしてくれた.....

続く。


(今朝のダブルレインボー)