[ハワイ] 背筋が凍る保険のお話 | 婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



ダイヤモンドヘッドで倒れた友達が、

無事帰国し、

日本で待つダンナさんの元へ帰った。

昨日ブログでその一連の出来事を、

泣きながら書き終わり、

安心したのか、今頃急に疲れが出てきて、

昨日は7時頃からシャワーも浴びずに、

ベットでうとうと。

爺に促されて、一応起きたが、

顔だけ洗い、

パジャマに着替えて、

また倒れるようにベットで寝続けた。

ぱっと目が覚めたのは、4時。

爺はまだ寝ている。

窓からは、

夜明け前のワイキキの、

ホテル群の灯りが見える。

コーヒーを淹れて、一人でゆっくりと飲む。

あの、ダイヤモンドヘッドでの出来事は、

あれは、やっぱり夢だったんじゃないか....

なんて思うくらい静かな朝。

爺が起きてきて、仕事に行く準備をしている。

鳥の声が聞こえ、

少しずつ空が明るくなってくる。

そこに、浮かび上がってくる、

ダイヤモンドヘッドの姿、、、

(今朝のダイヤモンドヘッド)

あの頂上のすぐ下の、

2人で陰がある狭い隙間にいた、

あの時間を思い返す....

すでに1時間以上、

倒れてから必死で水で冷やし続け、

意識も戻り、話は出きるようになったけど、

2人とも、もう下山は難しいと、

薄々分かりはじめた時、

恐る恐る聞いた、

「海外旅行保険、入って来たよね?....」

「え.......入ってない」

2人で顔を見合せ愕然とする。

不安気な友達の顔を見ながら、

突然、忘れていたあの話が脳裏に浮かぶ。

旅行会社に勤める友達から聞いた、

もう10年以上前の話。

毎年のようにハワイにやって来る、

60代の仲良し夫婦

いつものように、

2人で満喫していたハワイ。

その滞在中に、

突然ダンナさんが倒れた。

意識がない。急いで911し、

救急車で病院へ、脳出血だった。

ICUに入り、

意識がないまま、

それから何日か経ち、

残念ながらダンナさんは亡くなられた。

突然の出来事で、泣く暇もないまま、

ご遺体を飛行機に乗せ、

帰国した奥さんの元に届いた、

恐ろしい額の請求書。

そう、毎回入ってくるのに、

その時だけは何故か入ってこなかった、

海外旅行保険。

いつも入っても使わないし

もう必要ないかなって思ったから...と。

その後、その奥さんは、

家屋敷を全て売り、その返済に当てたと言う、

そんな胸が締め付けられるような、

悲しい話が、

一瞬頭の中に巡った、あの時。



あっ、もしかしてカードの保険が、

使えるんじゃ....なんて言ってたが、

後で調べると、

旅行代金を支払った海外旅行保険付きの、

カードに限り、

保険は適応されるらしく、

(条件及び限度額等必ず確認して下さい)

そんなこと全く知らない彼女は、

それとは全く別のカードを持って来ていた。

結局、全く保険がない状態で、

日本とはゼロの桁が2つほど違う、

超高額医療のこの国アメリカで、

倒れてしまったという事実に、

今更ながら背筋が凍り付きそうになる...

そして改めて、あぁ、良かった、

本当に無事に生きて帰れてよかったと、

胸を撫で下ろす、そんな朝。

爺が仕事へ出かける。

ドアからじゃあね!と見送る、

こんな、当たり前の何気ない毎日が、

どれだけ尊くて、ありがたいことか....

2人で思い知らされた、あの日。

今、改めてダイヤモンドヘッドに向かい、

手を合わせる。

本当に本当に、ありがとう....

続く。