アロハ
(嵐の後のサンセット)
あまりにもリスクが多すぎる。
今回は帰国をあきらめて、春に延期したらいい。
と、鼻水と微熱がでてしまった婆に、
爺は言った。
2人で帰るつもりだった日本。
2ヶ月前から準備して、
一時滞在のビザだって日本領事館で取った。
チケットの手配、PER検査、関空のホテルの予約
公共交通機関が使えないからレンタカーの手配、
今回はWiFi だって必要だから、その予約もした。
入国のための、宣誓書、質問書、アプリだって
もう携帯に入れた。
それが、帰国まであと1週間ってとこで、
まさかの、[全世界の外国人の入国禁止]
この緊急ニュース速報が流れる。
日本領事館に確かめるも
1転2転し、結局は短期の爺のビザは、
その効力を止められた。
こうなったら一人で這ってでも帰るぞと、
息巻いてたが、まさかの
ハワイ州からオミクロン株患者が出た!
とのニュース。
これでハワイ州からの入国者全員に、
政府の3日間の強制隔離が決まる。
そして、これでもかと言うように、
突然、降り始めた記録的な豪雨。
荒れ狂う天気。
イゲ知事は緊急事態宣言を出し、
[大規模な生命を脅かす、壊滅的な洪水]
の恐れがあるとして、米国立気象局が
警戒を呼び掛けるほどの、
ホノルルでは史上2番目の記録的雨量になった。
駐車場、ロビーは水浸しになり、車は水没、
停電は免れたが、エレベーターが壊れた。
階段を使って20階までの往復、
下りはいいけど、
上りはもう、マジできつい。
ワンコの散歩にと、老体にムチ打ち行くが、
1匹は16歳。もう関節が痛くて階段は上れない。
そのコを片手に抱き、もう1匹を連れ、
途中何回も休憩しながら
上り下りし、、汗だくになる。
結局、疲れで鼻水はたれ、微熱まででてきた。
微熱があれば、PCR検査で即アウト。
帰国前の約1週間。これだけの事が起こった。
ごめんね、母上。
万が一の事があって、行けなかったら
がっかりさせると、直前まで言わないつもりが、
ビザが出たとたん、嬉しくて、
つい、口が滑って言ってしまった。
おぉ、そうか、待っとるで❗
と、言って嬉しそうだった母上。
3年ぶりだったのに。ごめんね.....
今回は行けないけど、桜が咲くころ、
絶対に帰るよ!待ってて~っと、明るく
電話を切った後、涙が溢れ、止まらなくなった。
会いたい人に、会いたい時にいつでも会える。
来年の桜の季節には、
そうなっていますように.....。
続く。