犬と競技会に参加するために、競技の課目を理解していることはもちろんですが、犬が健康で健全なメンタルかどうかは何よりも大事になります。
トレーニングの際にトレーニングの内容を犬が自信を持ってできるかどうかはもちろん、健康やメンタルの健全性に対してかなり注意して着目しています。
(先日の競技会での脚側)
以前、犬が狼瘡の爪を怪我してしまったハンドラーが走った際にフセをする時に気にするかもと包帯を巻いて競技に参加しようとしたところ、ジャッジに止められて失格になりました。
狼瘡の爪なので特に脚を引きずったりもしていなかったのですが、それでも怪我をしている犬は競技には出さないというのがモラル。
競技会2週間前に犬が耳を気にして頭を振っていて、気になるのですぐに病院に行くようにすすめました。
そのまま出陳しても数分間集中していれば耳を気にすることもなくジャッジには気づかれなかったかもしれませんが、耳の調子が悪い子を出すことはアニマルウェルフェアに反する行為。
調子が悪かったらもちろん出陳は中止します。
先日、競技などやっていない飼主さんと競技犬に関するメンテナンスの話になりました。
定期的な病院での診察や整体やマッサージなど、日々の爪や被毛のケア、体重の管理、食育や食事内容に関する知識、筋力トレーニングやバランスエクササイズ、メンタルケアなど、さまざまな専門的な知識やケアしてくれる方との連携の上に競技犬としてのパフォーマンスが成り立っていることを知って驚いていました。
こういうことは意外と知られていないということもわかりました。
私たちハンドラーが普通におこなったり取り組んでいることはあえて言うことでもないくらい犬との生活に馴染んだものです。
一般の方の中には、競技なんて犬にストレスをかけてかわいそうといった上っ面でしか見ていない人たちがいることも知りショックでした。
競技は犬が主役です。
そして犬はアスリートでもあります。
彼らのパフォーマンスを支えるのはハンドラーのお仕事。
ストレスが無いように日々の練習を組み立て配慮し、彼らが生き生きと動けるようにする。
彼らが気持ちよくリンクに立てるように、数年かけてコツコツと身体作りやメンタルを整えて準備をしています。
そんな裏側も知って欲しいし、競技する上でアニマルウェルフェアがいかに大切にされているということを知って欲しいなぁと思います。