浅漬けが食中毒を引き起こす仕組み 基本編(2) | llllllllllllllllllllllll
さて、ここからが「浅漬けがなぜ侮れないのか」という話です。



野菜の洗浄・消毒の仕方が甘かったとしても、まず食中毒になるほどの大量の菌が残っていることはありません。この程度で深刻な食中毒を起こすようでは、一般家庭でも頻繁に食中毒が発生してしまうことになります。仮に今回使用されたものと同じ白菜を生で食べたとしても、食中毒を起こすことはなかっただろうと思います。

浅漬けの問題点は、単に生で野菜を食べるのとは異なり、「人の手による加工」の工程をはさみ、かつ、それをしばらく(漬け込むために)おいておく、という特徴にあります。




結局のところ、人の手(調理器具含む)が触れることが、危険な菌を運んでくる最大の要因です。手洗い・うがい・マスクの徹底、調理器具や調理場の洗浄・殺菌、など、菌を移さないために注意しなければならない範囲は大変広いのです。範囲が広いということは、漏れが生じやすくなります。

浅漬けの製造には、この「人の手による加工」の工程がある、つまり「菌が付着しやすい」という第1の条件を満たします。



さらに、浅漬の製造には最後に加熱の工程がない。このため、一旦付着した菌が最後まで残ってしまうことになります。また、浅漬けはいわゆる普通の漬物とは違って大量の塩分とともに漬け込むわけではないので、塩分による滅菌効果も期待できません。

つまり、「菌を減らすための処理をしていない」という第2の条件も満たします。



ここまでであれば、似たような製造工程の食品はたくさんあります。ところが、浅漬けの場合は、さらに「水分とともにしばらく放置する」という工程が待っています。

菌が増殖するには、水分が重要な役割を果たします。同じ菌が付着しても、例えばビスケットではそうは菌が増えないのです。一方、適度な水分があれば、時間が立てば立つほど倍々ゲームのように増殖するのが菌です。

つまり、「菌が増えやすい環境におく」という第3の条件までも満たすわけです。



このように、浅漬けは「菌がつきやすく、減りにくく、増えやすい」という食中毒を起こしやすい条件が組合わさった食品です。ゆえに、侮れないということになるわけです。

(断っておきますが、あくまで「一般に想像しているよりも危険だ」というだけで、食品全体で見れば肉類・乳製品などのほうがよっぽど危険ですよ)



(応用編に続く)