ある夜、静かな部屋でキャンドルを灯したとき、
私は小さな声を聞いた。


「ねぇ、まだ“好き”を忘れていない?」
声の主は、どこか懐かしい風を連れていた。

 

気づくとそこは、静かな森の奥。
木々の葉が月の光を反射して、
まるで銀色の時間が流れているようだった。

その森では、時計が止まっていても咲く花がある。
涙をこぼしても笑ってくれる猫がいる。
そして、“年齢”も“肩書き”も風のように軽い。

 

 

52歳の私は気づく。

 


「不思議の国は、どこか遠い夢の世界じゃなく、
心の中にずっとあったんだ」

若い頃に閉じ込めた“好き”や“憧れ”が、
森の奥でずっと待っていた。

 

紅茶の香りがして、
誰かの優しい声が響く。
“好きなものを、好きと言っていい”
その言葉が、夜の森に溶けていく。

 

 

本当の気持ち「戻る旅」
子どものような純粋さにもう一度出会うこと。

 

私の旅のはじまり