霧の森を歩く私
道は分かれていて、どちらに進めばいいのか分からない
そんな時、木の上から声がした
「道を探してるの?」
見上げると、そこにはふわりと浮かぶ笑顔
チェシャ猫だった
「どこへ行きたいのか、まだ決めてないの」
答えると、猫はにやりと笑った。
「だったら、どの道を行ったって構わない
行った先に、あなたがいればそれが正しい道さ」
その言葉を聞いて、胸が少し熱くなった
ずっと「正しい道」「間違わない道」を探していた
でも、猫の微笑みは教えてくれた
“道が正しいんじゃない、
歩くあなたが、道を正しくするんだ”──と
猫はゆっくり消えながら言った
「光は、頭じゃなくて心の奥にある
それを信じて歩きなさい。
目を閉じた時に見える色、それが君の導きだよ」
霧の中で目を閉じた
オレンジでも青でもない
やさしい金色の光が静かに揺れていた
心が、“こっちへおいで”と微笑んでいた
