習慣は 変えられない | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

長年の習慣は 変えられない
Kırk Yıllık Kâni, Olur Mu Yanı?

エブベキル・カーニは 時の大宰相からも 認められた詩人でした. ブカレストに 住んでいるときに 美しいルーマニア女性と知り合いました. 彼女に プロポーズしたのですが、彼女の返事は はっきりしないものでした. 彼女が承諾を ためらったのは、彼女が キリスト教徒だったからでした.
それに 気づいた エブベキル・カーニは 彼女に ムスリムに なるよう 勧めてみました. 彼女は 家族に相談しますが、家族は 逆に エブベキル・カーニがキリスト教に 改宗するべきだという意見でした. 最初は おどろきましたが、やがて 彼もそれに同意します.
ほどなくして イスタンブルから 呼び出しがかかります. 大宰相は 彼を問い詰めます. これに対して 彼は どんなに 彼女を愛してしまったかを 語り始めました. これを制止しようとした 大宰相に対して 彼は、「普通 人は 信仰を告白する際には 本心からするもの. だけど、私は 舌先で言っただけなんですよ. 40年も カーニでいたのに そんなこと 出来っこありませんよ.」


なお、上の話は "101 Deyim 101 Öykü" という本を 概略 訳したものですが、"Uldağ Sözlük" では 大宰相相手ではなく、正式に結婚する前に Papaz efendi と 交わした会話ということになっています. そのほかにも いくつか違いがあります. Ebubekir efendi というのは 1792年に 亡くなった 実在の人物のようです.

現在では、<人は 長い間に身についた習慣を 簡単には変えられない>という意味で 使われるようですが、こういう人物もいたのかと思うと ちょっと ほっとしますよね.


Uludağ Sözlük




学芸会でも ゼイベッキ
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