否定疑問文というと、英語で Don't you ~ とか Aren't you ~ とかいう形で 聞かれる 疑問文ですね. イエスとノーの 使われ方が 日本語と英語で 逆なので、大昔 学校で英語を習ったときに こんがらがった記憶があります. 頭では 理解していても 実際の会話では 結構 間違えてしまいますよね.
英語では 肯定の内容を 伝えるときは "Yes"、否定の場合は "No" となるわけですが、日本語では 答える内容ではなく、質問者に同意するかどうかによって、同意する場合は <はい>、そうでない場合は <いいえ>となるわけで、相手との関係を重んじる日本語らしい使われ方です.
わかりきったことですけど、一応 書いておきます.
【英語】
Didn't you go...?
Yes, I went. (No, I didn't go.)
【日本語】
行かなかったの?
いいえ、行きました.(はい、行きませんでした.)
では、トルコ語は? となると、これが なんとも トルコらしいというか どっちも あるようなんですよね. つまり、"Evet" とか "Hayır" というのを 聞いただけで 早合点しちゃいけないということですね.
下の例は どっちでしょうか? 直球じゃないので、ちょっと ややこしいかも.
Sen hiç uymadın mı?
Yok, erken kalktım.
「寝なかったの?」という質問に「いや、(寝たけど)早く起きたのよ.」と 答えているので 日本風ですね. 英語なら "Didn't you sleep...?" "Yes, I slept but..." と なるはず.
頭の中で 仮説を立ててるんですけど、<トルコ語も もとは 日本風の答え方だったのが、西アジアやヨーロッパの言語と 接触するうちに 英語風の答え方も 取り入れられていった>. どうですかね. もともとから 両方あったとは 考えにくいし、もとは 英語風だったんだけど あとになって 日本風の返事の仕方が増えてきたとも 考えにくいんで・・・. もちろん 実際は <仮説>でも なんでもなくて、専門家の間では 答えは出てるんでしょうけど.
ちなみに、フランス語では "Oui" と "Non" のほかに "Si" というのがあって、否定疑問で "Oui (Yes)" の代わりに 使われます. イタリア語も 同じようですね. ただ、これらは いずれも 英語風(の変種)と 言えます.
