大山鳴動してネズミ一匹 | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

大山鳴動してネズミ一匹

この諺は 日本人なら 誰でも知っていると 思うんですが、トルコにも びっくりするぐらい 似た諺が あるんですね.

Dağ doğura doğura fare doğurdu. あるいは
Dağ doğura doğura bir fare doğurmuş.

"doğura doğura" の部分を どう訳そうか ちょっと悩むところですね. この <動詞の語幹+(a または e)>を 2回繰り返す表現は、何度も 繰り返しながら あるいは 長い間 ある動作をしながら・・・という意味ですね.

Sora sora geldim. (何度も人に聞きながら やってきた)
Ağlaya ağlaya anlattı. (泣き続けながら 説明した)
Gözümün içine baka baka yalan söyledi. (人の目を見ながら 平気で嘘をついた)

これの発展形で ちょっと 人を侮蔑したり 憤慨したりするときの表現があります.

Yapa yapa bunu mu yaptın? (やるやるって言って 結局 やったのが これ?)
Bula bula bu araba mı buldun? (車を探す探すって言って 結局 見つけた車がこれ?)

"doğura doğura" の場合は これでしょうね. <山が 生まれる生まれると大騒ぎしたが、その結果 生まれてきたのは 一匹のネズミだった>という意味ですかね. これは 日本の諺と 直接の関係があるのでは、いやいや <大山鳴動して>は 中国の諺だろうから 中国の諺が 東西に伝わったのか・・・などと 思ってしまいますが、なんと <大山鳴動して>は 古代ローマの詩人ホラティウスの言葉が起源なんだそうですね. そのことに 一番 びっくりです. ラテン語では "Parturiunt montes, nascitur ridiculus mus. (山々が産気づいて滑稽な鼠が一匹生まれる)" というんだそうです. ちなみに 英語では "The mountains have brought forth a mouse.(山々が一匹の鼠を生んだ.※)".

※ 故事ことわざ辞典では「一匹の鼠を動かした」と なってますが、誤訳であろうと 思われるので、ここでは「生んだ」としておきました.

故事ことわざ辞典



エフェソス(エフェス)に 水を送っていたと思われる 古代の水道橋の跡 (シリンジェ)

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