鍋にフライパン? | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

鍋にフライパン?

"Gezi Parkı" に 端を発した 今回の一連の抗議行動の中で、ちょっと 変わったものが あるらしいです. それは 毎晩、9時になったら 皆で 鍋や フライパンを 打ち鳴らすというもの. 日本だったら 騒音で 逆に抗議が 来そうですが. そもそも 日本なら 鍋、やかんかな.

アメリカの大学などで 机を コンコン叩いて 抗議・不満の意を示す・・・というのは 聞いたことがありますが、日本では 集団で 音を出して抗議するというのは、偶発的には あるでしょうが、慣習としては、あまり聞きませんね. 集団が好きな日本人なのに 不思議と言えば不思議です. 元来、あからさまに 抗議をすること自体を よしとしない文化だったからなんでしょうね.

エルドアン首相が この鍋とフライパンの話を聞いて "Tencere tava, hep aynı hava." と言ったと 新聞に 載ってました. "Tencere tava herkeste bir hava." というのは 辞書に載ってました. 多分、同じ意味なんでしょう. 以下の 3種類の辞書で 調べてみました.

① 竹内和夫の<赤辞書>
② İnkılap 社の諺、慣用句辞典
③ Bilge Kültür Sanat 社の諺、慣用句辞典

① (なべは火かげんに、人はそれぞれに風格が)わが道を行く、十人十色
② Herkes kendi bildiğini yapıyor, aralarında bir birlik yok.
③ Kimse kimseyi dinlemez, herkes kendi bildiğini yapar.
  例)Bu takım işinde herkesin ortak çalışması gerekli, tencere tava herkeste hava olamaz.
③が 例文がついているので 一番 わかりやすいです. 要するに、一致団結することなく てんでんばらばらに 物事を行うということですかね. 首相は <鍋を 叩いている連中は 全然 一致団結してない>と 言いたかったんでしょうか.

Akşam 紙の記事

蛇足なんですけど この諺を調べていて おもしろいのを 見つけました(赤辞書).
"Tencere yuvarlanmış kapağını bulmuş. <鍋がころがって 蓋を見つけたそうな>
なんのことかと 思ったら <割れ鍋に閉じ蓋>という意味だそうです. トルコ語の諺の方が 一枚上ですね.


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