こんにちは、赤ちゃん | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

1960年代に 梓みちよの歌で ヒットした「こんにちは、赤ちゃん」という歌があります.「こんにちは、赤ちゃん、私がママよ.」と 母親の喜びを歌って 一世を風靡しました. ここでは 母親は 赤ちゃんにむかって<(私は あなたの)ママよ>と 言っているわけですけど、もっと進んで 赤ちゃんに限らず 家族に向かって「ママ 頭が痛いのよ、ちょっと 静かにしてくれる?」などということも ありますね. こういうのは 母親に限らず「お父さん」や「先生」なども よく耳にします. こういう表現は 「他者中心語」と 呼ばれるそうですけど、日本人には 自然な表現です.

トルコでも 母親は 赤ちゃんにむかって "Anneciğim" と 呼びかけます. これを聞いて 私たちが 驚くのは これが <(私は あなたの)ママよ>と 言っているわけではなくて、文法的には 赤ちゃんが <(私の)ママ> と 呼びかけている表現だからですね. お父さんや おじいちゃんの場合には "Babacığım", "Dedeciğim" などとも 言うみたいです. いずれも まだ ちゃんとしゃべれない 赤ん坊に対して 使われるもので、赤ちゃんが 言うであろうことばを 赤ちゃんに 代わって 言ってあげている表現ですね. 言ってみれば トルコ語版<他者中心語>なんでしょう.


<こんにちは、赤ちゃん (梓みちよ)>


アフロディーテ像 (アンタルヤ美術館)
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