海が白波だつ | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

この歌、Cem Karaca という人の演奏が 有名みたいですが、私は Esra Ateş という女性歌手の演奏で 知りました. 最初は 女性歌手が 歌ってるし、ラブソングかな・・・ぐらいに 思ってたんですが、歌詞の一部に ラブソングらしくないようにみえる箇所もあったりして、これは 一体 何の歌かと 興味を持ってました.
そんな折に お友達の freebird さんから ある男の片思いの歌だと 教えていただきました. となると 女性の Esra よりも 男性歌手の Cem の方が 自然ということになりますね. 私は Esra の、歌もそうですが、バックのサズが 好きなんですね. Esra の方は 民謡の味は 薄く やや現代的です. どちらが お好みかは ご自分で 聴き比べてみてください.

エーゲ地方の町ムーラ近郊の村ウラの話.
ウラの村の娘たちの美しさには 近在でも 有名だったんだそうだ.
チャイデレの男オスマンは 嫁を探すために ウラにやってきた. マルチャルの山を越え、ウラの村に やってきたところ、ある家で 娘たちが 音楽を楽しんでいた. オスマンは 戸口の横に立ち、娘たちの様子をうかがっていた. そして ある娘に 一目惚れしてしまった. 娘は ギュライシェという名だった.
その日からオスマンは ギュライシェに会うために、招待もされない ウラの結婚披露宴という披露宴を 回って歩いた. ほとんどの披露宴では ギュライシェの姿を見ることは できなかったが、 一度だけ 彼女の姿を見たことがあって、そのときは「胸の中で 海が白波だっている」ような 気持ちだった. 彼がギュライシェに 惚れているのは 誰の目にも 一目瞭然だった.
また 披露宴に来てくれと 祈る気持ちで ラクをあおっていると、村の男がやってきて 若者たちの集まりに来ないかと 誘った. 集まりにいた村の若者たちは やぁ親友と ひとしきり挨拶しあうと オスマンにむかっても乾杯をした. アーシュクが サズを チューニングして 彼に慰めの言葉をかけると、オスマンは 何年も サズに 触ってもいなかったのに 突然 アーシュクから サズを 取り上げるや 歌い始めた. それが ウラ村の türkü として 今に伝わる この歌なんだよ.


海が白波だつ

海が白波だっている
船を持ってきて 船に乗ろう
俺は ここにやって来たよ
ある美しい人のおかげさんでな
俺は ここにやって来たよ
ある美しい人のおかげさんでな

アリの行列
そのそばに横たわる
俺は ここにやって来たよ
ある美しい人を思い出すためにな
俺は ここにやって来たよ
ある美しい人を思い出すためにな

海の真ん中の
ロウソクの灯る食卓で
俺も この世から おさらばしたよ
ふるさとを 思うあまりにな
俺も この世から おさらばしたよ
ふるさとを 思うあまりにな


(この物語について、いくつかのサイトを参照したんですが、文章が なかなか難しいうえに、話がうまくつながらなかったりするので、自分なりに 枝葉を端折って 主な筋立ては こんなところかな・・・という感じで まとめてしまいました. また、歌詞も 演奏者によって 異同があるんですが、ここに訳したのは Esra Ateş のものです. あと、歌詞の中に "gelişim", "gidişim" という表現が 出てくるんですが、訳し方が わからないまま 過去形っぽく訳しています. 例によって 間違いがあったら ご指摘 お待ちしてます.)


参照サイト
http://www.turkuler.com/hikayeler/densizustu.asp
http://www.eksisozluk.com/show.asp?t=deniz+%C3%BCst%C3%BC+k%C3%B6p%C3%BCr%C3%BCr

Esra Ateş
Cem Karaca


味のあるトラック
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