Muhteşem Yüzyıl | あぶくさぶく

あぶくさぶく

トルコ語あれこれ

Süleyman と Hürrem の物語は トルコ人も関心が高いらしく. 最高視聴率は 眉に唾塗りたくなる 75% とか. 「服装がおかしい」とか「そんな史実はない」といったクレームも 喧しいようですが、これも 関心の裏返しでしょう. 察するに、華やかなりしオスマン宮廷というのは、トルコ人の郷愁・誇りを くすぐる存在である一方 Atatürk が 否定した古いものの象徴でもあるわけで、トルコ人としては 複雑な心境なんでしょう.

ドラマの主な舞台はイスタンブルのトプカプ宮殿とその中にあるハレム. 物語は 今のポーランドにあたると言われる東欧の小さな村をタタール人が襲撃し、2人の若い女性を連れ去るところから 始まります. そのうちの一人が Alexandra(Roxana とも 伝えられますが)、後の Hürrem です. 彼女らは スルタンに献上され、ハレムに送られることになります. ちなみに タタール人もトルコ系もしくはモンゴル系の民族だそうです.
ハレムには 原則として スルタンと王子以外の男は 入れません. 例外は 宦官(hadım)、つまり去勢された男のみ. ハレムは 日本の大奥に 似てますが、宦官の存在は 大きな違いです.
ところで、スルタンという言葉は 日本では 普通、君主(padişah)を指しますが、トルコ語では それだけでなく 君主の母、后、王子/王女を生んだ女性なども指します. ただし、君主に使われる場合は Sultan Süleyman のように 名前の前につきますが、その他に 使われる場合は Hürrem Sultan のように 名前のあとにつきます.
Süleyman は 王子時代 <Manisa>という町にある宮殿に住んでいました. オスマン宮廷の習慣では スルタンが亡くなった時、真っ先にトプカプ宮殿に 駆けつけた王子が 王位を継承するということになっていた・・・というのを どこかで 読んだ気がします. 後の時代の話になりますが、Hürrem の息子 Süleyman の跡を継ぐことになる Selim も Manisaにいたらしいです.
さて、Süleyman の父 Selim 一世が 亡くなったとの急報が もたらされたとき Süleyman は Manisa 郊外の森で İbrahim らを供に 狩りをしていました. İbrahim は 通称 Pargalı İbrahim とも呼ばれますが、今のギリシャ北西部 Parga の出身で 母語は イタリア語だったらしいです. 彼は後に スルタンの私事を とりしきる Hasodabaşı(侍従長?)から 最後には vezir-i âzam(大宰相)にまで 上り詰めた人物. さて、Süleyman は İbrahim ともども 急ぎ イスタンブルに向かい、無事に王位を継承、Süleyman の時代が 始まります.
ドラマでは Süleyman は だいたい トプカプ宮殿にいますが、実際には 遠征に明け暮れた君主であるらしく 在位中 13回とかの遠征を行ったそうです. そのため、Hürrem は 彼に 頻繁に 手紙を送ったらしく、そのことが 二人の強めたのかもしれません. Hürrem には Mahedevran というライヴァルが いましたが、Mahedevran は 手紙を書かなかったようです.
ここで ハレムの主だった人物を 紹介しておきましょう.
Hafsa Sultan:Süleyman の母で ドラマでは Valide (母后、母君)と 呼ばれることが多いです. 彼女は 最後まで Hürrem の敵でした.
Hatice Sultan: Süleyman の妹で 後に İbrahim に 嫁ぎます.
Mahidevran Sultan: Süleyman の長子 Mustafa の母. 彼女も Hürrem の天敵です.
Nigar Kalfa: Kalfa は 辞書によれば、職人頭とか親方という意味ですが、ここでは ハレムの女たちをまとめる仕事を しているようです.
他に、Hürrem と一緒に 故郷からやってきた Maria(イスラムに改宗して Gürnihal)、長年にわたり Valide に仕えた Dahe、Mahidevran Sultan に仕える Gülşa、Hatice Sultan に仕える Gülfem、宦官の Sümbül Ağa、同じく Gül Ağa、クリミア(Kırım)からやってきた Ay Bige など.

Muhteşem Yüzyıl の出演者たち

イズミルのアクセサリーショップに飾ってあった置物
$あぶくさぶく