毎日適時開示を見ていると、自社株買いは言うまでもありませんが、
「自己株式の処分」の方のリリースも結構出ています。
(今年年頭から昨日(5/16)までで36件のリリースが出ています)
自己株式の処分先(割当先)は、
□役員を対象とした株式報酬制度である株式給付信託
□従業員向けの株式給付信託(ESOP)
に概ね2分されます。
※資本・業務提携先に割り当てることももちろんありますが、
今年はそれ程多くありませんね。。
さて、そんな中、昨日東証2部に上場するNCS&Aから
「従業員向けの自己株式の割当」に関するリリースが出ておりました。
従業員向けと言ってもESOPではなく、直接従業員に自己株を割り当てます。
※割当の株価は、時価の5%ディスカウントです。
このような事例はあまり多くないのですが、私は以前から良いスキームだと思っていました。
何が良いのか?
”従業員が自腹を切って自社株を取得すること”
が良いのです。
報酬(インセンティブとして)で株式を貰うのも自腹を切るという点では一緒と言えば一緒なのですが、
既に自分の懐にあるお金を出資するのとこれから貰うものを株で受け取るのでは、
感覚が大きく異なります。
何が違うのか?
私はどちらも経験したことがあるのですが、やはり会社に対する覚悟が違います。
既に手に入れたお金をわざわざ自社株購入に充てるというのは、
相当会社に賭ける気持ちが無ければできません。
株式を使った各インセンティブプランも良いのですが、
選択肢の一つとして、NCS&Aが実施するような従業員向けの自己株式割当を実施してみても
面白いのではないでしょうか。