あるセルサイドアナリストと話しているときに出たフレーズで、
とても印象的だったので、今日はそのことについて書きたいと思います。
パーセプションスタディの一環として、
ある上場企業についてのフィードバックを聞いているとき、
「成長ストーリーを描けると長期投資に繋がりやすい」という話が出ました。
成長ストーリーとはどのようなものか?ということですが、
「掲げる目標(結果)にたどり着くまでのプロセス」で、
さらに「これを丁寧に説明することが重要だ。」
とこのアナリストは説明してくれました。
これは至極当然のことのように思えますが、
あらためてその重要性を再認識させられました。
例えば、今回フィードバックを伺っていた対象となる会社のケースで言うと、
この会社は元々あるニッチ分野でシェアトップの製品を製造・販売していますが、
年々競争が激しくなり、シェアを落としてきています。
しかし、開示されている情報を元に成長ストーリーを描くことで、
次のようなロジックが成立します。
➀ この製品の販路を拡大してきていて、新たに大きく販路が拡大する
↓ ↓ ↓
② 投入する新製品が革新的で、競合製品に比べ非常に競争力がある
↓ ↓ ↓
③ ➀販路拡大 × ②競争力のある新製品投入
⇒ シェア奪還し、トップブランドの復活
このような成長ストーリーを描ける企業は、
投資家に大きな成長期待を抱かせ、関心を引きつけます。
また、このような成長ストーリーに基づいて投資した場合、
シナリオが余程大きく変わらない限り、投資を継続することが期待されます。
これが「成長ストーリーを描けると長期投資に繋がりやすい」という理由です。
ここまで読まれた方は「当然だろう」と思うかもしれませんが、
意外とこのような説明をできていない上場会社も多く見受けられます。
これは、セルサイドやバイサイドといったプロの人々だけでなく、
個人投資家に対しても同じです。
株主や投資家に「長期投資して欲しい」と望むのであれば、
まずは「成長ストーリーを描き、
長期で成長していくというストーリーを明確に伝える」
ことが第一歩ではないでしょうか。