引き続き、8月半ばに訪れた南フランスの旅について書きます。いよいよ今回の旅のメインベント、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭です!3日目の8月18日はお気に入りのピアニストの リュカ・ドゥバルグ Lucas Debargue 、そして明くる8月19日は音楽祭最終日でベテラン・ピアニストの アブデル・ラーマン・エル=バシャ Abdel Rahman El Bacha による公演がありました。

第37回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭 Festival International de La Roque d'Anthéron 2017のメイン会場であるフロラン城公園 Parc du Chateau de Florans。この芝生の近くに、夏の間だけ野外音楽堂が設営されます。防風林として植えられたプラタナス並木はこの音楽祭のシンボルです。

この日の公演は2つ、18時からと21時から。チケットのお手配は音楽事務所の KAJIMOTO さんにお願いいたしました。13時半に村一番と評判のレストランに自分で予約を入れていましたので、13時にホテルを出て川向こうでなのでタクシーで行くと15キロ離れたラ・ロック・ダンテロン La Roque d'Anthéron へ。

そのレストランがここ、L'Auberge du Castellas です。ここでオドロキの出会いがありました!写真で開いた扉の向こうに、なんと今回のお目当ての彼が座っていたのでした。

このテーブルに、その晩9時からピアノ音楽祭でチャイコフスキーのピアノ協奏曲を弾くリュカ・ドゥバルグ Lucas Debargue がご家族と思われるご夫婦と楽しそうに談笑していたのです。後ろからチラッと見たところ、白いTシャツを着たなんの気取りもない普通の青年でしたけれども、いばりこぶたにはそれが27歳の才能溢れるピアニストとすぐにわかりました。

勇を鼓して話しかけましたら快く受け答えいただくことができ、この次はいつ来日するか教えてもらったうえ、ツーショット写真まで撮らせていただいてもうもう感激の極みでした。そんな彼のプロフィールについてはこちらをご参照ください。

帰り際にレストランのご主人に『さっきあそこに Lucas Debargue が座っていたでしょう?』と話したところ、『ああ、知ってるよ。彼は昔からの友だちなんだ。』とのこと💖本当にラッキーでした。

6時までまだまだ時間がありましたが、気温は30℃を優に超えていて歩いている人は誰もいません。バスもこの時刻には運行していなかったため、村の外れにあるシルヴァカンヌ修道院 Abbaye de Silvacane までとぼとぼと歩いて行きました。

修道院の中はヒンヤリと涼しくとても静かでした。音楽祭のプログラムの中にここでのピアノリサイタルもいくつかありました。
こちらが国際ピアノ音楽祭 International Piano Festival メイン会場への入口。車両通行止めのブロックがあります。
会場をご紹介する動画です。

少し早めにでしたが簡単な荷物チェックののち入場させてもらいました。


そしてこちらが会期中のみ設営される野外音楽堂です。

18時開演に向けて集まる人たち。

ピアノと喜劇俳優の朗読で綴るプロヴァンスの作家、マルセル・パニョル Marcel Pagnol の一代記が終了しました。

午後8時台はまだ明るいので、芝生の前の木陰でピクニックです。

こんな風にして、これから Lucas Debargue の弾くピアノが搬入されていきました。

野外コンサートならではの風景ですね。

ようやく暮れてきて、午後9時、いよいよ待ちに待った演奏を聴くことが出来ます。

そうしてあっと言う間に大歓声の嵐に包まれてわくわくドキドキの公演が終わりました。演目はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番ロ短調。アンコールは チャイコフスキーの 感傷的なワルツ Op.51-6と、ショパンのポロネーズ第6番「英雄」でした。

感動を胸に、真夜中の会場をあとにしました。昨年6月に初めて、サントリーホールでギドン・クレーメルとの丁々発止の素晴らしい演奏を聴いて衝撃を受け、12月には浜離宮朝日ホールでのソロ・リサイタルで再度心酔したときのことをしみじみと思い出しました。

翌日は音楽祭の最終日。レバノン出身の大御所、Abdel Rahman El Bacha の公演が20時から。

この日もまたピクニック。あまりのリラックスぶりにロワールから来たというフランス人のご夫婦に、フランス在住の日本人と間違えられました。

KAJIMOTOさんのおかげでこの日も佳い席です。次第に夕映えに包まれ、さらに満天の星空のもとで演奏会が粛々と進行しました。

こうして静かに第37回ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭が終了となりました。余韻をたっぷり抱えてホテルへ戻ります。あ~、Lucas Debargue を追っかけてはるばるプロヴァンスまでやってきた甲斐がありました。
最後に Lucas Debargue の細くて長い指が奏でるスカルラッティを動画でお聴きください。
それから昨年12月1日にアンコールで弾いてくれたJazzのナンバー、”Round Midnight”もね💖
