うなぎ | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

先日まで激しい雨が続いていたけれど、久しぶりの晴れ間が見られた。けれど暑い。ちょっと外に出たら尋常ではない暑さだ。ニャンズもクーラーの効いた部屋でそれぞれの場所でだらだらして寝る。









先日夕方スーパーに行ったらお惣菜のコーナーの一角がすっかり何もなくなっていた。よくよく見るとうな重だったりうな丼だったり、土用のうなぎのコーナーだった。今日は土用の丑の日だったかな、と調べてみると、土用の丑の日は23日のようだけれど、19日から8月6日あたりまで該当するようで早々にうなぎが並べられ売り切れていた。


土用の丑の日は23日なんだな、と思いながら今日もスーパーに出かけると、生の開いたうなぎが売られていた。焼いてタレの付いたうなぎはよく見かけるけれど、生のうなぎをスーパーで見かけることはとんとなかった。


先日の記事ではないけれど、蛇っぽいけれど、うなぎは許容範囲だ。生のうなぎ、それも半額になっていて、これは買うしかない、と購入した。こんな暑い日にはぴったりだ。


なぜ生のうなぎかと言うと、とーさんの強い要望があるからだった。とーさんが子供の頃には実家近くの川でうなぎもよく捕れていたらしく、義父がよくうなぎを捕ってきて家族で食べていたようだ。私も結婚したばかりの頃に一度だけ義父がうなぎを捕まえて料理をして食べさせてもらったことがあった。


その頃からうなぎも川にいなくなり、その後は一度もその川のうなぎは食べたことはない。義父が料理したうなぎは、うなぎ茶漬けだった。


醤油と少しばかりの酒だけのタレにうなぎを漬け込みながら焼くのだった。それを熱々のご飯にのせて、さらにタレも入れ、熱々の番茶を注いだシンプルなうなぎ茶漬けだった。


これがとても美味しかった。とーさんのうなぎ料理といえばこのうなぎ茶漬けが子供の頃からの慣れ親しんだ味なのだ。このシンプルなタレもずっと同じタレで、注ぎ足し注ぎ足ししてきたうなぎの油の混じった独特の風味になったタレだった。


けれど自分で捕まえられなければ買うしかないのだけれど、店先に並ぶのはたいてい甘いトロミのあるタレで味付けされたもので、とーさんからすれば食べる気になれないのだとか。


子供達はとーさんの好きなうなぎ茶漬けより、甘いタレのうなぎの方を好んだので、以前はそんなうなぎを購入したものだけれど、子供達がそれぞれうちを出てからは、生のうなぎもなかなか手に入らないし、まぁ無理にうなぎを食べなくていいかな、と最近はうなぎのコーナーも素通りしていたのだけれど、生のうなぎを見つけてしまったら買うしかない😅




これをとーさん特製の醤油と酒の簡単タレに漬け込みながら焼く。それはとーさんがする。かつて義父も自分で焼いて食べさせてくれた。






完成



ニャンズにもおすそ分けする。


熱々ご飯のなかに数切れを埋め込み、さらに熱々のお茶を入れる。ミョウガや紫蘇を薬味にのせて完成。

これがさっぽりして私も気に入っている。


ニャンズもガツガツ!

とーさんのうなぎ茶漬けは、懐かしい義父から受け継がれた味なのだ。58歳の若さで義父は脳出血で亡くなったけれど、その歳をはるかに過ぎてじーさんになった息子が今も父親の味を懐かしんで引き継いでいるのだから、義父も喜んでいることだろうと思う。

とーさんもうなぎの味と共に、一緒に川でうなぎを捕まえた思い出も味わっているのかもしれない。この夏もうなぎ茶漬けで乗り切るだろう。

ニャンズもうなぎの効力で元気に活動を始めた!訳ではないけれど、夜になると駆け回るいつものルーティンだ。

ニャンズにも産まれて初めての夏を元気に乗り切ってもらいたい。