繕う | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

あれほど暑かったのにこのところ一気に涼しくなって朝夕寒い日があったりする。こんなに急激に季節は変わっていたっけ?と驚く。

秋らしくなると、手仕事なんかもしてみたくなる。私の今の手仕事はもっぱら職場の利用者の繕い物だったりする。手の空いた時にチクチクするのが今のマイブームだ。

と言っても利用者が日頃から繕わなくてはいけないような服を着ているのか、と言うと全くそんなことはなく、ちょっとしたボタンが取れた、とかほつれくらいは修繕するけれど、たいていはちゃんと、新しく買い替えている。特に若い職員で修繕が苦手だと即買い替える。

私などはパートだから担当は持っていないけれどこの程度なら、とすぐに買い換えるのが勿体なくて気づいたらチクチクする。

ただ私が今マイブームな繕い物はそれと一線を画する繕い物だ。

2名ほどの利用者は、服を破るのが趣味なので、一日一枚はどこかしこ破れている。普通は破れてしまえば新しく買って破れたままの服装ということはないけれど、この二人の利用者に関しては、着ると同時に破りにかかるのでその都度買っていたらきりがないし、服代で破産する。

なので施設の中ではある程度なら破れていても仕方ない、の対応になるし、お古をもらったりとあれこれ工夫する。新しい服を着た瞬間どこかがほつれるか、穴があくのだからほとほと困る。

一人は手で服を紐のように裂く。どんな丈夫な服でも。


こうされると修繕不能。裂き織りができる。裂かれた所をチョキチョキ切ってかなり短くなったら破棄、あるいは雑巾に。

もう一人は口で穴をあける。破り方にも個性があるし、服を見ただけで名前を見なくてもたいていはすぐわかる。これもまたどんなしっかりした布でもやり遂げる。まして夏の服など一瞬だ。

それでも穴ならどうにか修繕も可能で私が今ハマっているのが穴の修繕だ。以前担当職員がやっているのを見て、逆にお洒落じゃない!?目一杯お洒落にいこう、となったわけ。


こんな感じ。パッチワーク風😆


針目はひどいもんだけれど(すぐにまた破られるし)こういうデザインの服に見える!かもしれない🙄?

あて布はさんざん服を破ってきているから山ほどある。たいていは使い捨ての雑巾にするけれど。



裏はこれ!決まって袖あたり。穴とは言えないレベルだけれど🙄。口が届くところはみんなこうなる。

まぁこうして繕っても繕っても一日か二日しか保たないのだけれど、それでもやっていると、どの色で合わせようか、とかうまくできたら気分爽快、ある意味ストレス解消😆


その後それすらボロボロになっているのを目にしてガックリするのだけれどね😌

冬になると布が分厚くなるから夏よりは破るのに時間を要するけれど、必ず最後は破る。

このお二人に関してはある程度仕方ないのだけれど、衣類というのはやはり人格を表すので、高級とかブランドとかではなしに、ちゃんと意識を向けて着ることは大事で、服装に意識を向けることが困難な利用者には職員が意識を向けていないといけないな、とは常々思う。

綻びっ放し、破れっぱなし、だらし無い着方は、服ではなく着ている人を粗末に扱っていることになるように思う。

それに軽度で服装に気持ちの向く利用者はみんなお洒落が好きだ。ドレス着たい、とか言う人はスルーだけれど、できる限り好みの服を選んで気持ちよく過ごせれば、と思う。

そういえば、ネットで見かけたニュースで、ダウン症の2歳の女の子が、高級ブランドのモデルに抜擢されたと言う。満面の笑顔の女の子の顔は見る人を幸せにする笑顔だった。

きっかけは、お母さんがInstagramに女の子の可愛い姿を日々投稿していたのが目にとまったそうだ。

お母さんの女の子を可愛くてたまらない、愛してやまない想いが伝わったのだろう。

大切な人達には素敵な服を着てもらいたい。

ちなみにそろそろ衣替えだ。季節の変わり目は一番気を使う。風邪をひかないように、ひかせないように。

皆様も充分気をつけてお過ごし下さいね。