やまとうた響く

やまとうた響く

日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

今日は10年ぶりくらいに産婦人科を訪れた。当然産科に用はなく婦人科の方だった。このところおそらく子宮下垂によるものと思われる膀胱が圧迫される様な再々トイレが近くなったりと、 ちょっとした違和感があり、かかりつけ医で、尿検査をしてもらったけれど膀胱炎などではなかったのでやはり婦人科の方か、となかなか行きにくいものだけれど思い切って行ってきた。



そういえばもう10年近く子宮癌健診も受けていないしこの際そちらもしてもらった。タイトル は35年ぶり、にしているけれど産婦人科を訪れたのが35年ぶりと言うわけではなく、10年くらい前までは毎年子宮癌健診も受けに産婦人科は訪れていた。


ただ、今日訪れた私と同じ名前の産婦人科医院を訪れたのが35年ぶりだった。それまでいつも行っていて次女や長男を出産した病院が数年前に閉めてしまったので、どこにしたものか、と悩み、今妊娠中の職場の人に尋ねて、彼女が行っている病院がとてもいいからと紹介された。


その病院が35年ぶりだったのだ。実はその病院には嫌な思い出があって絶対に二度と行きたくない病院だった。


35年くらい前に、当時長女を出産後6年ぶりにやっと二人目の子供を妊娠した時に行った病院だった。長女の時とは転勤していてどこの病院がいいかもよくわからず、名前が同じだし、とかかった病院だったけれど、 それから一週間くらいして出血し病院に駆け込んだ。


その時先生が、こりゃだめだな、と吐き捨てる様に言ったのが忘れられない。一応検査をと、当時は膀胱に水をパンパンに入れての造影と言うきついものだった。


もう漏れそうなくらいつらい状態でしばらく放置され、隣にやはり同じ状況の人が寝かされていたけれど、その人は我慢できずにトイレに行ってしまい先生に凄く叱られていた😨


私はどうにか我慢したけれど、膀胱パンパンなのにお腹をぐいぐい押されるし、地獄か!と思う辛さだった。ダメかもしれない、と聞かされ心はズタズタな上、こんな苦しい思いまでするなんて!おまけに診察の声が周りにもまる聞こえなほど配慮もない。


だめかもしれないけれど、入院してずっと動かず様子をみてみるかと言われたけれど、その時長女もいたし、自宅で安静にして様子をみることにして帰宅した。


けれど出血は止まらず私はダメだと諦めたけれど、あの病院にだけは行きたくなかった。病院を変えたからと言って助かるわけではないのは分かっていたけれど、だめなりになんらかの処置をするのだろうけれど、絶対あそこは嫌だ、と病院を変えた。


やはりその時の子は流産してしまったけれど、全く病院の対応が違い、検査もあんな原始的な検査ではなく、たぶん当時の最新式だったし、何より先生が優しかったし、寄り添ってくれる安心感があった。プライバシーも守られていた。


以後私は二年後くらいに再び妊娠でき、次女や長男もその時の病院で出産し、健診もそこで受けたし、長女も里帰りしてそこでやまとを出産した。


そんな病院がなくなって、どこにしたものかと思案していて、その時妊娠中の職場の人が教えてくれたのが二度と行きたくなかった病院だった。ただあれから35年が過ぎ、病院も場所が変わり新しく建て直し、近代的な病院に様変わりしていて、何より変わったのは院長先生だった。あの時の鬼、いや院長先生の息子さんが今は院長になっているらしかった。


他にも先生は何人かいるらしかったけれど、職場の人によると院長先生が優しくて一番のお勧めだ、と言う。でもあの時のあの院長の息子だしなぁ、と気は進まなかったけれど、ネットで他を調べてみてもこの辺りではやはり一番評判が良かったので、出産するわけでもないし、と思い切って35年ぶりに足を運んだ。


35年前とは違い気持ちのいい空間が広がり、待合室から眺められる中庭がまるで日本庭園の様で、ほんのり赤みを帯びたもみじに秋を感じる。







池には鯉がいた。

いやいや、まだ外見だけは新しくて綺麗でも重要なのは先生だ。待っている間、若い妊婦さんや、若いパパさんになる人、 そして生まれたばかりの赤ちゃんを抱いた新米ママさんや、おばあちゃん、などが当然沢山いる。もちろん出産ばかりではなく深刻な病気だったり、かつての私の様に危険な状況の人もいるんだろうけれど、やはり産婦人科の空気はふんわりとした幸せに満ちた空間だな、と感じる。久しぶりに味わう感覚だった。やっぱり出産とはいいものだな、と今年生まれたばかりの孫のすばるを思い浮かべた。




会いたいなぁ😍


そしていよいよ初めての院長先生の診察を受ける。若い!次女より少し上くらいかもしれない。私が流産してしまったあの頃くらいに生まれたのかもしれないな、と思う。そんな若い院長先生だったけれど、ほんとに優しく、先代院長に全く似ていない。気さくで物腰も柔らかだった。私が抱えていた不安な気持ちがフワッと軽くなった。


軽くなったのはもちろん私の症状がよくあるパターンだし、そんなに心配するものではないことがわかったことが一番ではあるけれど、院長先生の醸し出す雰囲気も大きかった。以前の病院とは全く別の病院になっていた。それはそうだ。35年もの間何も変わらない筈がない。今回は全てが前より素晴らしく改善された姿がそこにあった。ここを勧めてくれた職場の人に感謝したい。


いい加減過去の不快な思いを水に流せる時がきたのかもしれない。あの時は流産で悲しい思いをした(流産は病院のせいではない)けれどその二年後には次女を妊娠し、その次女に今年可愛いすばるが誕生したのだ。 いろいろ人生では辛い出来事はあるけれど、それでも生きていれば悲しみも結晶化したり熟成することもあるものだ。いろいろな面の水に流し時がきたのかもしれない。


今年はなんとなく、年の初め頃に3人目の孫のすばるも誕生し、年の後半あたりにこうして過去の不快な記憶も和らぎひとつの区切りも感じる。これからも、もう若くはないけれど、まだもう少し人生は続きそうなので職場での健診だけでなく、再び子宮癌健診や乳がん健診もこの病院で受けようかな、と思う。今回もついでに子宮癌健診もしてもらった。結果はまだだけれど、果たしてどんな結果になるだろう。