とてもいい本に出会った。

著者は、

インド系のアメリカ人

 

ハーバード大学医学部 ハーバード大学公衆衛生大学院・教授

その他いろいろな肩書

2002年 タイム誌 世界でもっとも影響力のある100人

 

すごすぎる人だけど、

 

この本には、この人の身の回りで起こった、

老いを迎えた人のことが、とても具体的に書いてある。

祖父とか、妻の祖母とか…

 

そこから、だんだん、説得力を持った著者の考えが生まれてくる。

 

 

人はなぜ単純に存在しているだけでは (衣食住が与えられ安全) 

空虚で無意味に感じられるのだろうか。

 

1908年 ハーバード大学の哲学者 ジョサイア・ロイス によると、

己自身を越えた大義を人は求めているから。

 

大儀は、大きいこと(家族 国 主義) でもいいし

小さなこと(建築計画やペットの世話) でもいい。

 

重要なことは、大義に対して価値を見出していること。

それに対して、犠牲を払ってもよいと感じていること。

それを通じて、人は自分の命に意味を持たせる。

 

大義がなければ、己の欲望だけに導かれることになる。

欲望は、移ろいやすく、気まぐれで、

飽くことを知らず、究極的には苦悩しかもたらさない。

 

 

この文章の前に、

生きる大義を見失った、気の毒な高齢者の例が、たくさん出てくるので、

この文章に説得力が感じられる。

大義を見失った高齢者は、みるみる体調も精神も衰えて無残な死を迎える。

 

これは、単に、高齢者福祉の話ではなく、

だれもが、いつかは直面する、人生の最も重要な命題だ。

 

 

考えてみれば、

「世の中のお役に立てることが幸せ」 とか

「みんなが喜んでくれるから、野菜を育てている。」 とか

青年海外協力隊に参加する若者とか、

みんな、そんなこと、分かってるんだよね。

 

わたしは、

みんなが、当たり前にわかっていることを、

今、知って、びっくりしている。

 

そのほか、目からうろこが、いっぱいでした。