いつのころから、読者や書店関係者から、

「飯嶋和一にはずれなし」と言われるようになった作家です。

 

1952年生まれの方ですが、

とにかく、作品が少ない。

読者は、飢えたように次作品を待ち焦がれるのですが、(私も!)

4・5年にひとつくらいしか出版されません。(涙)

すべて、書下ろしで、

最新作の『狗賓童子の島』だけが、連載されたものです。

 

飯嶋和一の、出版された全作品は、以下の8作です。

『汝ふたたび故郷へ帰れず』 1989年

『雷電本紀』 1994年

『神無き月十番目の夜』 1997年

『始祖鳥記』 2000年

『黄金旅風』 2004年

『出星前夜』 2008年

『狗賓童子の島』 2015年

『星夜航行』上・下 2018年6月29日

 

少ないですね~

きちんと資料を読んで、その気にならないと書けないそうです。

 

 

時代小説は、

そんなに読んでいませんが、

以前入院していたとき、友だちがせっせと運んでくれたので、

山本周五郎 と 司馬遼太郎などは、だいたい読みました。(ほぼ忘れましたが…)

司馬遼太郎のいいところは、資料に基づいた正確で綿密な描写と、

その人となりに入り込むような小説としての面白さが

両立しているところだと思います。

 

飯嶋和一は、方向は同じですが、内容はそれ以上です。(個人の感想です)

飯嶋和一の本を読むと、その時代のその場所の雨の音やにおいまで

伝わってきます。

時代背景や情景描写の綿密さでは、これ以上の人を知りません。

今、『狗賓童子の島』を読んでいますが、

あまりにおもしろいので、中断して、ブログってます。

 

 

本は、さらっと読める本と、なかなか読み進められない本がありますが

なかなか読み進められない本の方です。

 

読んでみようという方は、

『神無き月十番目の夜』あたり、どうですか?

あまり暗くて重いのはいや…というかたは、『雷電本紀』『始祖鳥記』

『汝ふたたび故郷へ帰れず』はボクシングが題材で、男性は血が騒ぐかも。

まあ、

どれを読んでも当たりです。