空き家対策に関する法律が整備され、いよいよ空き家を活用すべき時代が来ましたね。






先週の土曜日、空き家をお持ちの素敵なご夫婦とお会いして、空き家の相談を受けてきました。

この空き家は築年数は古いのですが、とても大切に使われてきた家であることはすぐに解りました。

対策として、リフォーム費用をかけて戸建て賃貸として貸すプランと、お金を掛けたくない場合のプランをご説明させていただきました。

まだ使えるものを壊すのもったいないですから、やはり活用ありきで考えたいですね。



■思い出や欲がジャマをする?

空き家を活用する場合、まず最初に立ちはだかる難関は「家財の処分」です。
わたしがこれまで見てきた空き家で室内が空っぽ状態の空き家はありませんでしたので、誰もが必然的に直面する問題だと思います。
(空き家をお持ちの方は、家具や衣類、本などが生活していた当時のまま置かれていることは当たり前ですので気にしなくて大丈夫です)


さて、オーナー様が意を決して処分することにしたとします。
でも実は、ここで注意したいことがあります。

それはとにかく「覚悟を決めて一気に処分する」ということです。

どういうことかというと、片付けはじめると思い出や欲がジャマをして進まないのです。

例えば、
「段ボール箱を開けたら学生時代に聴いていたレコードが見つかった」
「毎月買っていた雑誌がなつかしくて読み始めてしまった」
「昔あれほど大切に着ていた服やアクセサリーが見つかった」

そして、
「もったいないかも・・・」
「ひょっとしたら売れるかもしれない」

こうなると片付けは一向に進まなくなります。
それどころか片付けを止めてしまう方も少なくありません。
(実はこれも空き家が増える原因だったりします)

家財の処分は業者に依頼すれば1~2日で終わります。
しかし処分には費用がかかります。

一般的な一戸建てで最低でも30万円くらいはかかる。
この費用が惜しいと思うわけです。

もちろん、大切なもの、とっておきたいものを無理に捨てる必要はありません。
だけど考えてみてください。
過去を懐かしんでいた品々は「使わなくなったからしまっていた」ものですよね?
「売れるかもしれない品物」に期待したとしても、たいていの場合は時代遅れで売れないか、値段がついても数百円。

それが現実です。




■失うものと得られるもの

家財処分をズルズルと引き伸ばした結果、例えば半年とか1年とか先送りした場合と、決断して一気に処分して室内を空っぽにして貸し出した場合を比較してみましょう。

前者は時間を失う。
後者は家賃とゆとりを得られる。

この違いをどう受け止めるか、です。

空き家を貸して得られたであろう家賃は年間でいくらだったのか?
そう考えてみれば、どっちがトクかは考えるまでもありません。

空き家を売る場合でも同じことです。
だって、固定資産税や火災保険の支払い時期はくるんです。

そう。何もしなければあなたの財布からお金が少しづつ確実に減っていくのです。

「貸す」選択をしたら「時間」に対する考え方が非常に大事となってきます。
もしあなたの空き家が家賃7万円で貸せるとします。
30日で割れば1日あたり2300円も「もらい損ねてる」ことになりますよね?

だから決断したら一気にやってしまうのがコツ。

なかなか進まないのはみなさん同じですから仕方ありません。

でも、空き家を活用すれば空き家が空き家でなくなり、住まう人の暮らしが始まって、家賃をいただきながら住まい手に感謝されるかもしれないのです。

決断は苦しさを伴うことがあるけど、その先ある未来に得られるものを想像したほうが、ずっと楽しいのではないでしょうか。

概ねそんなことを思います。