■ あなたは不動産の仕事をしているのに、なんで障がい福祉とかボランティアとかもやってるの?

実は最近、このようなご質問をお受けすることがあります。
ということは質問しないまでも疑問に思う方がいても不思議はないのかなぁと。
だから書いておこうと思いました。

ボクのお客様はご存じですが、ボクは昨年からNPO法人の運営に加わりました。
(この法人が行う事業は日中一時支援といい、障がいを持つ子どもたちを日中帯にお預かりすることで、介助をするお父さんやお母さんの休息や就業の支援をする市町村からの委託事業です)

そして最近はその流れでボランティアナースの会や医療系一般社団法人の運営にも関わるようになりました。

これは住健トラストの事業(空き家活用、不動産事業)とは関連性がまったくありません。
また、すべて無報酬でお受けしていますのでとても不思議がられます。

なかには「いつか不動産の仕事につながるから良いよね」とおっしゃる方もいるのですが、そんなことは考えたこともありませんし、実際に仕事につながったことはひとつもありません。

ではなぜやっているのか。


■ 頼まれごとは試されごと


※NPO法人プラウド(旧童思館)の仲間たち。ボクは右端にいます。




答えは 頼まれたから です。
本当にそれだけ。


実は依頼を受けた瞬間、頭にふたつのことが浮かびました。
ひとつは「4つの鉄板ルール」
ふたつめは「お役目かもしれない」ということです。

中村文昭さんいう講演家をご存じですか?
彼の演題に「4つの鉄板ルール」というのがあるのですが、ボクは中村文昭さんの講演を聞いて衝撃を受けました。それからはできる限りこのルールを意識するようにしています。
なぜならこのルールのおかげで仕事に対する考え方が変わり、不安も和らぎ、業績も少しづつ良くなっていくことを体感したからです。

「4つの鉄板ルール」
1 返事は0.2秒
2 頼まれごとは試されごと
3 できない理由は言わない
4 そのうちと言わず今できることをやる

だからNPO法人の理事を頼まれたときもこのルールが効いたのです。



■ そして、ずっと探していたものでした


※岐阜大学病院・整形外科病棟で。右脚を切断して始めての正月に撮影した一枚で1985年です。ふたりのナースは落ち込むボクを笑顔で励ましてくれた。



ふたつめはお役目かもしれないと思いました。
とても純粋にそう思ったんです。

10代の時、病気して障がいを持ったことで、ボクの人生は大きく変わりました。


※退院後も生きていることを素直に喜べなくて、それはそれでつらい時期が長く続いた。



当時、死ぬのが当たり前とされた病気だったのですが、病棟にいた同じ病気の皆は死んでしまったのにボクだけ助かったのです。
当時は生きている喜びはあまりなくて、死んだ仲間に対する罪悪感が大きかった。

複雑な思いを抱きながら何年も過ごし、生きている喜びと罪悪感が逆転するまで何十年もかかりましたが、次第に「自分は生かされているかもしれない」と考えるようになり、同時にその理由を探しをじめたんです。

その理由は何なのかは、ずっと分からなかったのですが・・・。


昔から考えていたことがあります。

それは、ボクがそこそこ立派になれば、障がい者や病気を持つ子どもたちに少しでも良い影響を与えられるんじゃないかということ。

障がい者と健常者との間に存在するバリア(障がい)を、少しだけでも取り除けるんじゃないかと、そんなことを考えていました。

ですのでこの依頼は運命のようなものを感じましたし、きっと意味があり、神様が与えたお役目だと思えたのです。


ボクが理事長として関わるようになりまだ日が浅く、他に仕事を掛け持ちしているということもあり、スタッフの皆さんに目が届かずに迷惑をかけているようで申し訳ないと思います。

考えてみるのとやってみるのとではずいぶん差があることも実感しています。
でも、あきらめずにやっていきたい。

それにボクが頑張っている姿を見せればあの時代を過ごした仲間もきっと喜んでくれるんじゃないかぁと思いますし。

日ごろご支援してくださる皆さまに感謝して、これからも自分の役割を果たしていきたいと考えています。