【はっとの勝手に名画鑑賞会】
第499回「肉弾」(1968)
1968年公開、岡本喜八監督作品
「肉弾」を観ました。
前年に東宝で「日本のいちばん長い日」
という大作を製作した翌年、
こちらはATGで低予算で製作された
これも岡本喜八の戦争映画の傑作です。
こちらはあくまで岡本自身の実体験を
ベースにしていて、「日本の〜」とは
違い、かなりコミカルに終戦前夜の状況を描いています。
岡本喜八の自伝によると、「日本の〜」を
撮り終えた後に、無性にこの映画を製作した
くなり、20日間で一気に脚本を書き上げたが、
内容的に商業ベースに乗らないということで、
大手の映画会社にはすべて製作を断れてしまったようです。
そこで当時、「一千万円映画」で話題になっていたATGにお願いしたそうですが、ここでも
職人映画監督と見られていた喜八監督は芸術性や作家性に重きを置くATGにYESの返事を貰うまでに、かなり苦労したそうです。
産みの苦しみはあったものの、低予算では
あるが大手と違い、下手な口出しはしない
ATGなので、かなり自由に製作できたらしく、
その伸び伸びとした感じが作品にもよく
表れています。
主演は、これが出世作となる寺田農です。
寺田と言えば、音楽業界でも有名なほどの
カントリーウェスタン好きなんですよね。
後は、あの名セリフ、「見ろ!人がゴミのようだ」でお馴染みの「天空の城ラピュタ」の
ムスカ大佐の声優さんでもあります。
出演陣も豪華で、田中邦衛、天本英世、中谷一郎、髙橋悦史など、いわゆる喜八組のお馴染みのメンバーから、春川ますみ、菅井きん、北林谷栄、小沢昭一、珍しいところではロクちゃんこと頭師佳孝、笠智衆まで登場します。
そして子役で、この声どっかで聞いたことあるなぁと思っていたら、「サスケ」の声の雷門ケン坊でした。
さらにヒロイン役の大谷直子の体当たりの
演技、ナレーションは仲代達矢という
まさに満腹状態の内容でした。
低予算なので、恐らくギャラも少ないはずなのに、これだけのメンバーが揃うのは、やはり
喜八監督の人徳なのでしょうね。
そしてこの映画をどうしても撮りたいという
喜八監督の情熱に絆されたのかもしれません。
ちなみに佐藤勝の音楽も、他の作品のBGMを録音している時に、こっそり一緒に録音しちゃった
そうです(笑)
主人公は21歳、実は喜八監督が入隊したのも
21歳。喜八監督が自分にとっての戦争をケジメとして語ったこの作品は、コミカルではありますが、とても強いメッセージを含んだ反戦映画なのです。
是非!多くの方々に観てほしいですね♪
【人生はまるでロード・ムービー、
次回も一緒に過去に置き忘れた
宝物を探しに行く旅に出ませんか?】
それでは、また(^_−)−☆
